どうもエイトシーです。
私は厨二病全盛期に「マトリックス」を見てその後の人生に大いなる影響があったのはすでに何度か話しましたが、その影響でキアヌの大ファンにもなりました。「ジョン・ウィック」も全部見たし、「サイバーパンク2077」を珍しく早めに買ったのも、はっきり言って“キアヌが出てるから“です。
というわけで、今回はキアヌ主演の「レプリカズ」のお話です。
・あらすじ
とあるバイオ企業で働く主人公ウィリアムは、“死者から人間の意識を取り出し、機械の体に移植する“という研究をおこなっていた。研究自体はあまりうまく行っていなかったが、ウィリアムは妻と子供三人と共に幸せな生活を送っていた。しかし、ある日ウィリアムは交通事故を起こし、家族四人を全員死なせてしまう。すぐさまウィリアムは家族の意識を取り出し、同僚に頼み込んで禁断のクローン技術によって家族の体を再生し、そこに記憶を埋め込もうとする。しかし、そこにはある問題があった……
・ポイント
まず、最初に話さなきゃいけないことがあります。それは、今回映画の話をしているのに、「〜をオススメする話」やら「〜を見た話」とはなっていないという事です。ズバリ言いますがこの映画、はっきりオススメできません。
タイトルの時点でうっすら勘づいている人もいるかもしれませんが、正直SFとして…というよりも一本の映画としてなかなか面白くないです。ただ、それだけで切って捨てるにはあまりに惜しい魅力があっちゃう映画です。なので詳しくお話しします。
まず前半部分に関して。前半部分ははっきり言ってあらすじに書いた通りの物語が進行しますが、正直言ってかなりB級映画感が強いです。
随所に出てくるCGの出来がかなり悪いし、おまけに全部どこかで見たような造形をしています。出てくるアンドロイドは「エクス○キナ」と「アイ、ロ○ット」の亜種みたいだし……
お話の内容に関しても、「狂気に陥ってしまった科学者」という点でみれば割とありふれているので、まぁ「現代版フランケンシュタイン」みたいな映画、の一言で終わってしまうような感じでした。
ただ、ありきたりとは言っても、少しずつ少しずつ禁忌を犯し、だんだん取り返しがつかなくなってズタボロになっていく主人公の演技はなかなか素晴らしく、主人公の人間的な弱さも、作品にリアリティをもたらしていてなかなか良かったです。
という訳で、前半だけ見ればまぁちょっとしたB級映画としては楽しめるものでした。
……が、何よりも問題なのは後半戦です。
※ネタバレ注意
物語前半では、そこそこありきたりながらもまぁそんなに悪くもないSFサスペンスとして物語が進行していました。しかし、後半からいきなり全部なかったみたいに進行方向が変わります。
まず、今までなんの伏線もなかった“謎の闇の組織“が出現。主人公を襲う刺客を送り、ただの研究者にすぎない主人公とその家族がなぜか銃撃戦に巻き込まれ、それまでに起きていた諸問題はマルっと無かったことにされます。しまいに主人公は自分自身の記憶を持ったアンドロイドを無理くり製造。敵の大ボスもぶっ倒してそいつもアンドロイドにして、なんやかんや諸問題も解決してなんとなくハッピーエンドへと向かっていきます……
「……いや!なんの話やねん!!?!?!?」
と思った皆様。私も同じ気持ちでした。
…なんというか、後半はそれこそ「マトリックス」やらのキアヌ映画にありがちな展開になるので、マジでめちゃくちゃ戸惑うと思います。正直、前半部分のノリのままドロドロと終わっていくエンディングだったら印象にも残らない普通の映画だったはずですが、この後半部分のせいで(主に悪い意味で)この映画は印象的な映画になりました。
これは予想ですが、最初は前半部分みたいなSFサスペンスなテイストで物語を進行させる脚本だったんだと思います……が、多分途中でオチをどうすればいいかわかんなくなって、「……ああ!!!もうええわ!!闇の組織と銃撃戦してハッピーエンドじゃ!!!」となったんだと思います。料理を使って例えるなら……そこそこいい素材を使ってありきたりな料理を途中まで作って、着地点がわからずカレー粉をぶちまけたみたいな映画です。
きっとキアヌも優しいですから、ろくろく脚本も読まずにオファーを受けたんでしょう。そんな邪推をしてしまう程度にはとんでもねぇ映画でした。
という訳で、今回は「レプリカズ」のお話でした。
ボロクソには言いましたが、なんやかんやでハッピーエンドとしてまとまっているからこそ、「絶対にオススメしない!」とまでは言えない映画です。それなりにいい点もありますし、友人とポップコーンをつまみつつ、映画にツッコミを入れつつなら結構楽しめる映画だと思います。そんな“愛すべきダメ映画“、ぜひ一度でいいんで見てみてください。
……キアヌ…頼むから脚本読んでからオファーを受けてくれ…