エイトシーのオタク語り

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行きどころの無いオタクの独り言

「映さない」映画!? 「Old(オールド)」をみた話

 


オールド(吹替版)

 

 どうもエイトシーです。

 

 最近はちょっとずつ夏っぽくなってきましたね。今年の夏は海に行きたい……

 

 という訳で、今回は「Old(オールド)」という映画の感想を書き殴りたいと思います。ネタバレは無しです。

 

・あらすじ

 主人公の家族はどことなく関係がギクシャクしたガイとプリスカ、娘のカーラと息子のトレント。ある日彼らは家族旅行で南の島に訪れる。一家は支配人の勧めでホテルのプライベートビーチへと向かう。そこにはこれまた訳ありそうな外科医の家族と看護師の夫婦、そしておひとり様の有名ラッパーがいた。休暇を満喫していた彼らだが、突如女性の死体を発見してしまう。ビーチを出ようとする彼らだが、彼らの体にも少しずつ異変が起き始め……

 

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 監督は、「シックス・センス」などで有名なM・ナイト・シャマラン監督です…見終わってから知りました。

 

 

 

 

 

・ポイント

 

 まず大前提に、このビーチでは謎の怪現象によってそこにいる人間の時間を早く進めてしまいます。普通の人間が一生かかってするような成長がたったの数時間で終わってしまう…そんな映画です。

 

 んで、その辺の設定はもちろん面白いのですが、そこの面白さはまぁ想像すりゃわかることなので、今回はこの映画の別の側面から面白さを書き殴ります。

 

 この映画の素晴らしい点、それはズバリ「映さなさ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・映さなさ 

 

 おそらく予告の動画でわかる人ももちろんいると思いますが、この映画はかなり「ホラー的」な要素を組み込んでいます。どうも監督はそうは思っていないようですが、「一瞬で老けてしまうビーチに閉じ込められる」なんて絶対サスペンスホラーの設定です。

 設定がホラーめいてるので、この映画にもそこそこご遺体が出てきたり、ご鮮血がお吹き出しになったり、お刃物をおぶっ込みされる描写があったりはします。そのようなエグいゴア表現はホラー映画ではお馴染みですが、この映画では、その描写が直接映像として出てくることはほとんどありません。

 基本的にはそういう場面ではわざと視点を周りにずらして表現されるので、”それを見ている周りの人の表情”とかの映像と一緒に、何だかヤバそうな音が後ろ側から聞こえてくる…という、「映さない」ことでむしろ生々しい描写になっています。

 

 

 また、シャマラン監督はコメンタリーの中で、「意図的にカメラをずらすように表現している」というふうにコメントしています。具体的には、ある登場人物が何か説明をしているときに、その登場人物ではなく他の周りの登場人物にカメラが行くようなカメラワークになっています。こうすることで、「この瞬間も時間は過ぎ去っている」という”時間の残酷さ”を間接的に表現しているのだそうです。

 

 しかも、これらの特徴的な画面構成と、作品の大きな設定である「時間が早く過ぎる」がかなり上手く噛み合わさる部分があり……ネタバレ回避のためにここまでにしますが、とにかく、私はこの映画でシャマラン監督の凄さを体感することができました……マジで天才…

 

 

 …あ、ただ「映す」場面もちゃんとあって……というかかなりエグい部分を包み隠さずやりやがったので、間違ってもお子さんと一緒に見るのはやめましょう。

 

 

・作中設定について

 

 もう一つ。

 

 この映画ではいかにもな怪現象が巻き起こるので、「不条理系」なホラーのように見えますが、実はこの作品、明確に悪役が存在します。そして、全ての不可思議な現象にある程度ちゃんと回答が用意されています。なので、そういった部分もちゃんと推理をしながら見ていくこともできるので、「ただの不条理ホラー」には止まらないいい具合の「サスペンス要素」も高評価です。

 

 

 という訳で、今回はシャマラン監督の「Old(オールド)」の感想でした。

 

 今回の映画が初めてのシャマラン監督作品になりましたが、マジでめちゃくちゃすごいんですね!

 

 ……「シックスセンス」も見ないと…

 

 

 

 

 

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