エイトシーのオタク語り

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行きどころの無いオタクの独り言

”ザク”を棄てきれない私たち 「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を見た話 (ネタバレ有り編)

 

 

 

 どうもエイトシーです。

 

 

 

 昨日ついにやっと…少しお高い料金を支払って機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を見てきましたので、レビュー的なのを書きたいと思います。

 

※今回は珍しくネタバレ有りでのレビューになりますので、気になる人はご注意ください。

 

 

 

 

 

・「ククルス・ドアンの島」とは?

 

 …もしかするとあるいはガンダムあんまり詳しくない人もこの記事読むかもなので、一旦初歩的な解説をしときます……

 

 「ククルス・ドアンの島」とは、一番最初のガンダムアニメである、「機動戦士ガンダム」の第15話にあたるエピソードのことで、今回の映画はその第15話の完全リメイク作品になります。

 

 この第15話が結構曰く付きの作品で、アニメ史に残るとんでもねぇ作画崩壊を起こしつつ、しかしストーリー自体はかなり深い内容になっている…という超問題回です。今作のリメイクでも、この第15話に合わせて少し顔の長くなったザクが発表され話題になりました。カトキさんが粘ったらしいですね…

 

 

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・真っ直ぐな”機動戦士ガンダム

 

 まず、今回の「ククルス・ドアンの島」ですが、ガンダム」としてとても真っ直ぐに楽しむことができる作品になっています。……という感覚はガノタ特有のものだと思うので、まずガンダムシリーズを通して特徴的である、「戦記」「リアルロボット」の側面から話していきます。

 

 まず「戦記」として。今作、核兵器をめぐるジオン、連邦の駆け引きや、ジオンのエースパイロット部隊である「サザン・クロス隊」の活躍など、原作の第15話とは異なり、一年戦争の戦局においてかなり重要な物語として描かれています。それにより、一年戦争」という、宇宙世紀において重要な戦争をより濃密に感じることができます。やっぱマ・クベはギャンに乗るより参謀やってる方が様になる…

 

 次に「リアルロボット」として。今作は、「閃光のハサウェイ」で描かれていた「人間視点でのモビルスーツ地上戦」をさらにパワーアップさせて描写していました。ペーネロペー」などの超高性能機体ではなく、あくまで「ジム」と「ザク」の切り合い、撃ち合いがメインになるので、よりガチな地上戦を拝むことができます。一般人の巻き込まれもハサウェイ以上に出ているので、スーパーロボット的ではない、リアルで血生臭い戦場のロボットを感じることができます。

 

 ……と、ここまでなら以前までのガンダム作品のパワーアップ止まりなのですが、今作ではさらに、「1stらしいコメディ描写」もかなりたくさんありました。

 

 1stの作中では、カツ・レツ・キッカを中心に結構コメディ的描写があったのですが、最近のガンダム系作品では結構忘れられていました。しかし、今作ではこの3悪ガキも復活し、おまけにドアンの子供たちもかなり増えているので、ストレートにコメディ描写がふんだんにありました。……これが何とも言い難い「1stらしさ」を出していたので、リアルタイムで見ていた人にとっては結構嬉しい要素だったりすると思います。

 

・随所のファンサがもう……

 

 そして随所のファンサービス!!!

 

 正直この映画の存在自体がファンサみたいなものなので別に期待はしてませんでしたが、かなりサービスしてくれました。マ・クベの机の端にちゃんといいツボが置いてあったのを私は見逃さないぜ……

 

 そして長い顔のドアンザクが強いのなんの……

 

 あんなにボロボロなのに高機動型にも全く引けを取らない……というより、とても似たような操縦をしていました。もしかして”高機動型”はエースパイロットがザク2を操縦する技術をより簡易的に引き出せるよう作られたのでは?……などのいらん考察が捗ってしまいます。プラモ欲しいわ〜

 

・”ザク”を棄てきれない私たち

 

 こっからちょっと真面目パートです。

 

 「ククルス・ドアンの島」は、40年ちょい前に放送された後、多くの人の心を掴んで離さないエピソードの一つです。それは何故なのか?当然、「アニメ史に残るレベルの作画崩壊」もありますが、それはフックに過ぎません。掴んで”離さない”理由は何故なのか?

 

 ズバリその答えは、このストーリーが、「武力を放棄することによる平和」を描いた作品だからです。

 

 1stガンダムが放映された時代、日本では安保闘争が起こり、自衛隊の是非をめぐる論争も巻き起こり、日本は「平和」とは何かという議論を常に行なってきました。「武力」を持つことが是なのか否なのか、そもそも武力なしでの平和があり得るのか……それは分かりませんが、少なくとも、「思う所がある」からこそ、最後にザクを放棄し、それを”とても良いこと”とした「ククルス・ドアンの島」というエピソードは人々の心に深く残ったのです。

 

 そして、テレビ放送から40年という歳月の中で、結局我々は”ザク”を棄て去ることができず、やはりこのエピソードに考えさせられてしまうのです。

 

 私たちはこれから、”ザク”を棄てることができるのか…それとも、宇宙世紀と同じように、醜い争いの果てに全てを無にしてしまうのか……答えが出なくとも、我々は考え続けなければならないのかもしれません。

 

 

 

 という訳で、今回は「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のレビューでした。

 

 ……やっぱ…「ガンダム」って、良いですねぇ〜……

 

 良すぎるあまりめちゃくちゃ長記事を書き上げてしまいました。本当にいい映画なので、できれば高い金払ってでも劇場に見にいってください。……どうしても無理ならサブスクでも円盤でも何でもいいんで是非見てください。

 

 

 

 …次は「ハサウェイ」の二部か……暗ぇー……

 

 

 

 

 

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