どうもエイトシーです。
実は私は一月に一度は映画館に行って映画を見ようとか考えていまして……実はブログをサボっていた10月あたりでもちゃんと映画館には行っていました。んで、今回その時みた映画がなんとなく円盤になったりなり出したので、紹介です。
という訳で今回は、「ブレット・トレイン」のお話です。
・あらすじ
運のない殺し屋”レディ・バグ(てんとう虫)”は、裏の仕事に復帰し、東京、京都間の新幹線で、とあるブリーフケースを盗み出す仕事を依頼される。簡単な仕事のはずだったが、その新幹線には他にも多くの殺し屋が乗り合わせていた。殺し屋コンビ”双子”の”レモン”と”タンジェリン(みかん)”、メキシカンマフィアの”ウルフ(狼)”……おまけに息子殺害未遂の復讐に燃える父親”木村”と、その首謀者の”プリンス(王子)”と名乗る女の子などなど…あまりにも不運な巡り合わせかと思われたが、どうもこの新幹線に殺し屋が乗り合わせたのは偶然ではないらしく……
主演はブラッッド・ピット、監督は「デッドプール」のデヴィット・リーチ監督です。
・圧倒的な「トンチキ・ジャパン」
日本人としてこの作品の一番の特徴を挙げるとするならば、その圧倒的なまでの「トンチキ・ジャパン」描写にあるでしょう。ハリウッド映画好きな人なら一度は見たことあるはずです……都心からでも見える富士山、やたらに奇抜な髪色の女性、絶妙に辿々しい日本語の看板、ぎりぎり見たことない雑なゆるキャラ、やたらに日本刀を持って現れるYAKUZA……
この映画の舞台も100パーセント日本ということになっているのですが、そこに広がるのはあまりにも私たちの常識から外れた「トンチキ・ジャパン」でした。
正直、この映画を楽しめる、楽しめないの境界はこの「トンチキ・ジャパン」を受け入れられるかどうかにかかってきます。そのくらい常に摩訶不思議な異世界NIPPOOONが広がり続けます。頼むからツッコミ入れてくれよ真田広之…
まぁ、正直私としては全然笑って楽しめました。別に馬鹿にされているとか、そういうマイナスな印象は一切受けず、もはや作品の個性として全然出来上がっていると感じました。真田広之の息子の日本語が辿々しいカタコトなのは本当に面白い……(アンドリュー氏を馬鹿にする意図はございません。頑張ってくれてありがとう!)
・重厚な「面白さ」
さて、↑のせいで正直すでに毎分毎秒が面白すぎる訳ですが、それ以外の要素についても満点です。
アクション描写はさすがリーチ監督。新幹線というせまーい空間をふんだんに使って、飽きのこないバリエーションに富んだアクションを見せてくれます。さながらそれは5・7・5の枠組みの中で美を表現する俳句のような……ちなみにお気に入りは「お静かに車両」の中での殴り合いシーンです。
さらに、アクション以外の描写も、一枚絵として驚くほどかっこいいシーンが数多くあります。特にホワイト・デスがヤクザを壊滅させるシーンは本当にどこ見てもかっこいいんですよね……
…さてさて、そんな訳でアクション、映像共にはちゃめちゃに面白いのですが、さらにこの映画の面白さを重厚なものにしているのが、作中に散りばめられた「伏線」です。
・「伊坂映画」として
本映画は日本人小説家、伊坂幸太郎氏の「マリア・ビートル」を原作としています。氏の小説は日本国内でも何度か映画化されていて、私は結構その「伊坂映画」のファンでした。以前にもブログで「フィッシュストーリー」について書いてましたね。
んで、そんな伊坂映画の特徴として、とても綿密に練られた伏線と、それをラストで一気に回収する作風があります。
……そんでですね、正直この映画の第一報を見た時、私は一抹の不安を抱えていました。「こんなハリウッドの馬鹿映画っぽくなってるけど、ちゃんと伊坂映画的な伏線回収があるのかな?」…と
…結論を言うと、日本の伊坂映画に負けず劣らずに見事な伏線回収がありました。
どうしても性質上あまり核心に迫ることはできないのですが、作中に起こるさまざまな事象が全て伏線として機能しており、最後に真相を語られるシーンでは、まるでジェットコースターに乗っているような爽快感を味わうことができます。伊坂映画ファンも安心して見ることができるクオリティに仕上がっているので、安心して大丈夫です。
という訳で、今回は「ブレット・トレイン」をお薦めする話でした。
ハリウッド特有のトンチキ・ジャパン、濃厚なアクションと見事なシーン構成、それでいて伊坂幸太郎的な伏線回収の快感もある本作。個人的には2022年のベスト映画です。円盤が販売やレンタル開始しているはずなので、ぜひ一度見てみてください。
あ……最後に。
もし本作をより楽しみたければ、ぜひ「デッドプール」、「デッドプール2」の二作をみてから鑑賞してください。そしてこの二作のファンはどうか絶対、ぜっっっっったい見て下さい。どうしてもオチに関わる部分なので言えないのは心苦しいのですが、何かしら「思うところ」があるはずですので……
……お前かああああい!!!!!!!