エイトシーのオタク語り

エイトシーのオタク語り

行きどころの無いオタクの独り言

南雲さんスピンオフ 「機動警察パトレイバー2 the movie」を見た話

 

 どうもエイトシーです。

 

 久しぶりに今回はリアルロボットの金字塔にして私の大好きな作品「パトレイバー」の作品についてのお話です。

 

 今回は、機動警察パトレイバー2 the movie」を見た話です。

 


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 ・あらすじ

 

 前作「機動警察パトレイバー the movie」の事件から三年後、かつての特車二課第2小隊は後藤、山崎を除いて散り散りに異動し、それぞれで生活を送っていた。ある日、警部に昇進した南雲しのぶが会議を終え帰宅する中、突如横浜ベイブリッジで爆破事件が起こってしまう。当初は爆弾かと思われたが、この爆破は戦闘機から放たれた一発のミサイルによるものだった。情報が錯綜する中、南雲と後藤の前に陸幕調査部別室の「荒川」が現れ……

 

・脇役になった”特車2課”

 

 まず、今作は「パトレイバー」と題されていますが、「AV-98イングラム」は完璧に脇役です。それどころか、あらすじで説明した通り、本作の主人公はあくまで「南雲しのぶ」、あるいは「後藤隊長」であり、「特車二課」のメンバーに関してもほとんど出番がありません。正直、この映画に適切にタイトルを付けるとするなら、機動警察パトレイバー Another Story 〜南雲しのぶの憂鬱〜」とでもするべきでしょう。なので、旧OVA版や劇場版一作目のように、難解で歯応えのある物語と明るく元気な特車二課のコントラストが見たい人々には、少し物足りなさを感じるかもしれません。

 

 

 

eight-c.hatenablog.com

 

 

 

 

 …じゃあ駄作なの?

 

 

 ……とんでもない!

 

 

 

 確かに特車二課の面々はほとんど脇役になってしまいましたが、その分彼らはいい存在感を残していきました。

 

 …ズバリ、彼らは”成長”していました。

 

 無鉄砲で捻くれ者だった遊馬は大人しく聡明な印象になり、元気いっぱいのメカ少女だった野明は、すっかりクールで大人な女性になっている。ほんの少しの登場シーン……いや、むしろ少しの登場シーンだからこそ、彼らの”印象違いな登場シーン”は時間の経過を生々しく感じることができ、どこか寂しく、どこか誇らしいような複雑な感情が想起されます。

 

 「いつまでもレイバーが好きなだけの女の子でいたくない」………そんな寂しいこと言わないでくれよぉ…

 

・さらに濃い「押井守

 

 前作の記事の中で「今作になって押井守が牙を剥いてきた」みたいなことを書いていました。

 

 

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 じゃあ今回はどうなのか……もちろん、前作よりも濃厚に「押井守」しています。特に、ストーリーの難解さにそれが如実に表れていると感じました。

 

 前作では、「一人の狂気の科学者によって引き起こされた事件」という内容でストーリーが展開するため、旧OVA版と比較すると幾分シリアスにはなりましたが、それでもストーリーの本質部分は意外とシンプルでわかりやすいものでした。

 

 対して今作、同じように「一人のテロリストによって引き起こされた事件」ではあるのですが、前作よりも政治的な駆け引きの描写が多く、政府、警察、自衛隊、テロリスト、南雲さんなどのさまざまな視点から事件を読み解かなければならないので、前作よりも格段に難解になっています。

 

 また、映像表現も素晴らしく、写実的な東京湾を船で渡るシーンや、雪の降る都心を描いたシーンなど、シンプルながら印象に残る素晴らしい映像を見ることができます。

 

 

・「東京」と「戦争」

 

 そして、今作で一番特徴的なのが、私たちにとって日常的、現代的な「東京」の風景と、戦車や自衛隊員など、非日常的な「戦争」の風景が同時に存在する異質な空間を見事に描いている点です。閑散とした、それだけで異常を際立たせるような東京の風景を、重苦しい装備に身を包んだ自衛隊員と、圧倒的な質量、重量を感じさせる戦車が行き交う……それでいて、その自衛官は決して冷血な存在ではなく、子供に手を振ってあげたり、あくまでも生きた人間であるという生々しさ……もはや私たちにはファンタジーと言えるほど昔の話になってしまった「東京と戦争」をとても写実的に描いています。それでいて、その風景を雪とともに美しく描いているので、とてもアンバランスで不安定な心情になる不思議なシーンになっています。

 

 

 というわけで今回は、「機動警察パトレイバー2 the movie」を見た話でした。

 

 この映画結構言語化して魅力を語るのが難しく、結構長々時間をかけてやっと記事が書き終わりました……長かった……

 

 

 もはやただの「巨大ロボットアニメ」では収まらなくなっている本作、是非是非その素晴らしいアニメ表現を見てみてください。

 

 

 ……さて、次回は”問題作”でお会いしましょう……

 

 

 

 

 

2022年最高の映画 「ブレット・トレイン」をお薦めする話

 

 どうもエイトシーです。

 

 実は私は一月に一度は映画館に行って映画を見ようとか考えていまして……実はブログをサボっていた10月あたりでもちゃんと映画館には行っていました。んで、今回その時みた映画がなんとなく円盤になったりなり出したので、紹介です。

 

 という訳で今回は、「ブレット・トレイン」のお話です。

 

 

・あらすじ

 

 運のない殺し屋”レディ・バグ(てんとう虫)”は、裏の仕事に復帰し、東京、京都間の新幹線で、とあるブリーフケースを盗み出す仕事を依頼される。簡単な仕事のはずだったが、その新幹線には他にも多くの殺し屋が乗り合わせていた。殺し屋コンビ”双子”の”レモン””タンジェリン(みかん)”、メキシカンマフィアの”ウルフ(狼)”……おまけに息子殺害未遂の復讐に燃える父親”木村”と、その首謀者の”プリンス(王子)”と名乗る女の子などなど…あまりにも不運な巡り合わせかと思われたが、どうもこの新幹線に殺し屋が乗り合わせたのは偶然ではないらしく……

 

 主演はブラッッド・ピット、監督は「デッドプール」のデヴィット・リーチ監督です。

 

・圧倒的な「トンチキ・ジャパン」

 

 日本人としてこの作品の一番の特徴を挙げるとするならば、その圧倒的なまでの「トンチキ・ジャパン」描写にあるでしょう。ハリウッド映画好きな人なら一度は見たことあるはずです……都心からでも見える富士山、やたらに奇抜な髪色の女性、絶妙に辿々しい日本語の看板、ぎりぎり見たことない雑なゆるキャラ、やたらに日本刀を持って現れるYAKUZA……

 

 この映画の舞台も100パーセント日本ということになっているのですが、そこに広がるのはあまりにも私たちの常識から外れた「トンチキ・ジャパン」でした。

 

 正直、この映画を楽しめる、楽しめないの境界はこの「トンチキ・ジャパン」を受け入れられるかどうかにかかってきます。そのくらい常に摩訶不思議な異世界NIPPOOONが広がり続けます。頼むからツッコミ入れてくれよ真田広之

 

 まぁ、正直私としては全然笑って楽しめました。別に馬鹿にされているとか、そういうマイナスな印象は一切受けず、もはや作品の個性として全然出来上がっていると感じました。真田広之の息子の日本語が辿々しいカタコトなのは本当に面白い……(アンドリュー氏を馬鹿にする意図はございません。頑張ってくれてありがとう!)

 

・重厚な「面白さ」

 

 さて、↑のせいで正直すでに毎分毎秒が面白すぎる訳ですが、それ以外の要素についても満点です。

 

 アクション描写はさすがリーチ監督。新幹線というせまーい空間をふんだんに使って、飽きのこないバリエーションに富んだアクションを見せてくれます。さながらそれは5・7・5の枠組みの中で美を表現する俳句のような……ちなみにお気に入りは「お静かに車両」の中での殴り合いシーンです。

 

 さらに、アクション以外の描写も、一枚絵として驚くほどかっこいいシーンが数多くあります。特にホワイト・デスがヤクザを壊滅させるシーンは本当にどこ見てもかっこいいんですよね……

 

 …さてさて、そんな訳でアクション、映像共にはちゃめちゃに面白いのですが、さらにこの映画の面白さを重厚なものにしているのが、作中に散りばめられた「伏線」です。

 

・「伊坂映画」として

 

 本映画は日本人小説家、伊坂幸太郎氏の「マリア・ビートル」を原作としています。氏の小説は日本国内でも何度か映画化されていて、私は結構その「伊坂映画」のファンでした。以前にもブログで「フィッシュストーリー」について書いてましたね。

 

 

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 んで、そんな伊坂映画の特徴として、とても綿密に練られた伏線と、それをラストで一気に回収する作風があります。

 

 ……そんでですね、正直この映画の第一報を見た時、私は一抹の不安を抱えていました。「こんなハリウッドの馬鹿映画っぽくなってるけど、ちゃんと伊坂映画的な伏線回収があるのかな?」…と

 

 

 

 …結論を言うと、日本の伊坂映画に負けず劣らずに見事な伏線回収がありました。

 

 どうしても性質上あまり核心に迫ることはできないのですが、作中に起こるさまざまな事象が全て伏線として機能しており、最後に真相を語られるシーンでは、まるでジェットコースターに乗っているような爽快感を味わうことができます。伊坂映画ファンも安心して見ることができるクオリティに仕上がっているので、安心して大丈夫です。

 

 

 

 という訳で、今回は「ブレット・トレイン」をお薦めする話でした。

 

 ハリウッド特有のトンチキ・ジャパン、濃厚なアクションと見事なシーン構成、それでいて伊坂幸太郎的な伏線回収の快感もある本作。個人的には2022年のベスト映画です。円盤が販売やレンタル開始しているはずなので、ぜひ一度見てみてください。

 

 

 

 

 

 あ……最後に。

 

 

 

 

 もし本作をより楽しみたければ、ぜひ「デッドプール」、「デッドプール2」の二作をみてから鑑賞してください。そしてこの二作のファンはどうか絶対、ぜっっっっったい見て下さい。どうしてもオチに関わる部分なので言えないのは心苦しいのですが、何かしら「思うところ」があるはずですので……

 

 

 

 

 

 

 ……お前かああああい!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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映画「ファイブスター物語」の分かりにくい点を説明する話

 


ファイブスター物語

 

 どうもエイトシーです。

 

 最近絶賛「ファイブスター物語」にどハマりしています。

 

 

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 当然、私としてはなんとかしてこの作品を楽しんでくれる人を増やさなければいけないのですが、如何せんうん十年近く現役で連載している漫画を薦めるのはちょっと気が引ける……なので、私としてはアニメ映画版の「ファイブスター物語」をお薦めしています。

 

 が、この作品物語の大枠については結構わかりやすい反面、ちょっとわかりずらいポイントがちょこちょこ存在します。なので、今回は映画「ファイブスター物語」のわかりづらい点を解説したいと思います。

 

 

注:当然ネタバレありになりますので、まだ見てない方、「dアニメストア」とかで見れるので一度見てから戻ってきてください。

 

 

 

・「最初の方に出てきた長い黒髪のファティマは誰?」

 

 あれ「ラキシス」です。

 

 物語の序盤、急に長い黒髪でメカっぽいディティールのたくさん入ったファティマがなんだか意味深なことを言っているシーンがありましたね。一応あの時点でちゃんと「ラキシス」と名前を呼んでいるのですが、ご存知の通り作中ラキシスの髪は栗色の髪のショートカットです。しかも直後に長い黒髪のクローソーが出てくるので余計にわかりにくくなっていますね……

 

 どうも本来のラキシスの髪の色はあのような黒髪で、茶髪の状態は言わば「本気を出していない形態」らしいです……私もまだ読んでない部分なのでこれ以上の言及は避けます……

 

・「『マインドコントロールを受けていない…』って結局どういうこと?」

 

 本来、ファティマはモーターヘッドの演算装置、つまり兵器として運用する必要があり、また外見は華奢な女性であっても、その腕力は騎士とそう違いありません。なので、人間に危害を加えないため、また兵器として利用される彼女たちの精神を保護するためにマインドコントロールを行うのが普通らしいです。

 

 クローソーが「私モーターヘッドに乗りたくない!…」と言った時にアマテラスとコーラス3世(本当は23世)がヒヤヒヤしていたのは、この言動がマインドコントロールを受けていない証拠になり得るからです。

 

 ちなみに、原作ではたまに「ダムゲイト・コントロール」と呼ばれていたりもしています。

 

・「クローソーがマスター決めた時回想っぽく出てきた人誰?」

 

 ……「コーラス6世(26世)」です。

 

 まるで過去にあった人物を回想で思い出すかの如く登場していましたが、クローソーが見ていたのは彼女の未来の映像で、今現在目の前にいるコーラス3世の遠い子孫をマスターに決めてしまった……という、初見じゃ理解困難な描写になっています。

 

・「『あれが…私の妹たちなのですね……』……いや誰?」

 

 ……「メガエラ」さんです。

 

 作中でメインに活躍しているラキシスクローソーは、それぞれバランシェ公の44番目、45番目のファティマで、作中登場していない二人の「姉」であるアトロポスは43番目のファティマです。

 

 そしてお気づきの通り、バランシェ公は彼女ら三姉妹の他にも42体のファティマを作っており、そのうち40番目のファティマが彼女「メガエラ」さんです。ラキシスクローソーにとっては「遠いお姉ちゃん」くらいのポジションでしょう。

 

 実はアニメ版でカットされた描写で、メガエラとビュラードが二人で会話をするシーンがあり、その中で

 

「本当はお前(メガエラ)をソープと合わせてやりたいが、お前が”メガエラ”だと分かれば途端に俺の正体(大統領)もバレちまう」

 

 …という内容の会話をしていました。……まぁ結果ソープ様には全然バレてたみたいですけど……

 

・「最後ソープの髪が白くなったの何?」

 

 そもそも「レディオス・ソープ」というのはある人物の世を忍ぶ仮の姿です。

 

 彼の正体は、惑星「デルタ・ベルン」の超巨大統一国家「A.K.D.」の国家元首、「天照の帝」こと「アマテラス・ディス・グランド・グリース・エイダス・フォース」です。

 

 「……いやいや、アマテラスならソープと会話したりしてたじゃないか!?」

 

…と思われそうですが、あれは影武者の「アイシャ・コーダンテ」様です。こちらも序盤、アマテラスが「僕も行くことにするよ…」みたいな会話をしている時に出てきていました。緑色の髪が逆立ったお姉さんですね。

 

 ……というか、ソープ様が度々「ごめん…アイシャ……」とネタバレかましてましたね…

 

・「最後急に壮大なトーンで話を閉じたけど……この先何かあるの?」

 

 ……はい、ファイブスター一番の特徴である”年表”を元にしてちょっとこれからのことをネタバレすると…

 

 

 この後二人は星々を巻き込んだ大戦争に巻き込まれ、その結果ラキシス、ナイトオブゴールド共に別時空に飛ばされてしまいます。その後アマテラスは星団の全ての星の征服を決意。大魔王みたいなポジションとして君臨することになります。

 

 …この二人はおそらく↑の未来を断片的に察知しているような描写が漫画版に存在するので、おそらくそれを踏まえて映画の後半に意味深なトーンで話を締めたのだと思います。まぁ多分その話のアニメ化はされないんだろうなぁ……

 

 

 という訳で、今回は映画「ファイブスター物語」の分かりにくい点の解説でした。

 

 この解説があの映画を楽しむ補助になるなら幸いです。

 

 ……そんでみんな原作も読もう!!

 

 

 

 

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「ファイブスター物語」と「機動戦士ガンダム」の似た点、違う点を考える話

 

 


ウェーブ ファイブスターストーリーズ ナイト・オブ・ゴールド ver.3 1/144スケール プラモデル FS107

 

 どうもエイトシーです。

 

 

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 最近「ファイブスター物語」にどっぷりハマってしまいました。

 

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 実は現在ひっそりとプラモデルも組み立てているので、完成したらブログで書いたりするかもしれません。

 

 そんでもって、さりとて何度でも言いますが、私は「機動戦士ガンダム」が大好きです。どうやらぼちぼちアニメを見出して一年になろうとするみたいです……早いようであっという間だった……

 

 

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 さてさて、今回は↑のタイトル通り、この二つの作品の共通点と相違点を考えるわけですが、この二つの作品をよく知る人なら、「いやいや……この二つの作品を比べてどうこう言うのなんてナンセンスだろ!?」と思うかもしれません……いや、実際その通りでしょう。

 

 ……まぁ、超新参者の言うことなので、そこは暖かい目で見ていただけると幸いです。

 

・二つをつなぐ「エルガイム

 

 そもそもこの二つの作品に関係があるのか……というと、作品上では「いいえ」です。

 

 しかし、「制作上」では大いに関係があります。

 

 ガンダムの監督である富野氏とFSSの永野氏は何度かアニメ作品を一緒に手がけていて、そのうちの一本が重戦機エルガイムというアニメです。

 


HG 重戦機エルガイム エルガイム 1/144スケール 色分け済みプラモデル 2545960

 

 監督を富野氏が担当し、キャラクターデザイン、メカニックデザインを永野氏が担当した本作、実はファイブスター物語」本編の下敷きになったアニメでもあります。

 

 元々、永野氏はエルガイム本編では語られていない裏設定をものすごい数考えていたようで、中には富野監督が公認していなかった裏設定も結構あったようです。この頃からすでに、「ロボットの演算機能のための女性型人工生命体」という設定…のちの「ファティマ」になる設定も考えていたようです。

 

 そして、この溜まった裏設定をもとにして新しく構成されたのが、「ファイブスター物語」という作品として世に出ました。

 

 対して、「ガンダム」の方にはどんな影響があったのか……

 

 

 実は「エルガイム」はロボットアニメ史上初めて設定上齟齬なく動くロボットであると言われており、現在のロボットアニメでは当たり前になった「フレーム構造」を取り入れた最初のロボットアニメであると言われています。

 

 そして、「エルガイム」ののちに、新たにフレーム構造である「ムーバブルフレーム」を設定に採用した「機動戦士Zガンダム」以降のガンダム作品が生み出されました。これにより今までよりさらに”リアルさ”に拍車がかかった訳ですね……

 

 

・「リアルロボット」と「スーパーロボット

 

 というわけで、↑では二作品の関わりについての話でしたが、次は相違点についてです。この二作品の一番大きな相違点……それは、「リアルロボット」か、「スーパーロボット」であるかの点であると私は思います。

 

 まず、両者の違いについては以前解説しているので、詳しくはこちらを読んでください。

 

 

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 簡単にまとめると、「スーパーロボット」というのは、人知を越える不思議パワーを持ったロボットを題材にした作品のことで、対して「リアルロボット」というのは、あくまでも現実の地球でも起こりうる科学力を用いて作られたロボットを題材にした作品のことです。

 

 さてさて…この視点で両作品を見比べてみましょう……まず、現実の兵器として戦争に用いられる設定が強調される「ガンダム」はもちろん「リアルロボット」の分類に入ります。

 

 さて……ファイブスター物語ですが……実は「スーパーロボット」の分類に入ります。

 

 確かに、構成パーツ一つ一つに綿密で正確な設定が存在していたり、作中でもかなりリアルな兵器に見える演出がなされていましたが、それはあくまでも「設定が細かい」だけであって、実情としては…

 

モーターヘッドゴティックメード)を操縦できるのは超人的な騎士だけ

・動力源の詳細な原理が未知

・全長がとにかく大きい

・なんかたまに訳わからない挙動をする

・そもそもファイブスター世界は魔法も宇宙人も神様もなんでもありな世界

 

 …このように、見事に「スーパーロボット」としての条件を揃えているのです。にもかかわらず、リアルロボット系にも劣らない設定の数々は、やはりファイブスターの素晴らしさの一つと言えると思います。

 

 

・特殊な歴史構造とその成立

 

 さて、最後に両作品の歴史構造についての話です。

 

 ファイブスターの最も特徴的な箇所の一つが、数千年分の歴史年表が完成しており、物語はその穴を埋めるように紡がれていくという点です。

 

 しかし、実は現在「機動戦士ガンダム」についてもかなり似たような歴史構造を持っています。時間は比較すると短いですが、それでも数百年に及ぶ宇宙世紀の歴史がある程度完成されて、その節々の物語がアニメや漫画、小説やゲームで補完される構造になっています。

 

 じゃあ両者は同じものなのか……と言われれば、これは違うと言えるでしょう。

 

 ガンダムの歴史構造は、そもそも大元にファーストシリーズの「機動戦士ガンダム」があり、そこに追加されていく形で「Zガンダム」や「ZZガンダム」、「逆襲のシャア」、「ユニコーン」、「閃光のハサウェイ」と歴史を積み上げることで、徐々に複雑な歴史構造が完成していきました。

 

 対して「ファイブスター物語」は第一話開始時点から既に数千年分の歴史年表が完成しており、最初からその詳細を覗き見る形で物語が進んでいきました。

 

 つまり、長い間シリーズを続けていた「機動戦士ガンダム」の歴史構造が、奇しくも「ファイブスター物語」の歴史構造に近づいてきた……というのが両者の似ている所以であると私は考えます。

 

 ……つまり、現在「ガンダム」を楽しむことができる人たちは、「ファイブスター」も楽しむことができる………んじゃないかなぁ?……

 

 

 

 という訳で、今回は「ファイブスター物語」と「機動戦士ガンダム」の似た点、違う点について考えてみました。

 

 「ファイブスター物語」は媒体の都合上ちょっと敷居が高いような印象をどうしても受けてしまうので、できればもうちょっと色んな人に見てもらえるようにしたいですね。

 

 

 

 ……「HUNTER×HUNTER」を今薦める人って同じ心境なんだろうなぁ……

 

 

 

 

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正直甘く見てたんだなぁーこれが…… 「HGUC シナンジュ・スタイン」を作った話

 

 どうもエイトシーです。

 

 しばらくの間ほとんど記事の更新がなかったわけですが、何もしていなかったわけではなく、むしろガンプラを作りまくっていたわけです。というわけで、今回はそんなガンプラの中で”神作”を作りましたので、ここで紹介したいと思います。

 

HGUC シナンジュ・スタイン」です。

 

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 本機は、「機動戦士ガンダム ナラティブ」に登場するネオジオンモビルスーツで、「ユニコーン」に登場する「シナンジュ」のベースになった機体です。

 

 ちなみに私はこの映画もアマプラで見ました。

 

 んで、映画本編では主人公機と比べて割と地味な活躍しかなく、いまいち印象に残らなかった記憶があり、正直大したことないと思っていました。まぁ他の機体が”超旧型貧弱魔改造ガンダムとか、百式顔負けの大暴走キンキラキンユニコーンガンダムとか、”前作主人公の乗る右腕交換式ガンダムとかの濃いーい面子なので、髪型面白い人の乗った地味な色のモビルスーツの印象なんかあってないようなものですよね……

 

 

 ……が、敢えて言おう!!神キットであると!!!!

 

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・渋いミリタリーカラー

 

 なんか↑で”地味な色”とかディスっているような気がしますが、このカラーリングがかなりミリタリー強めでめちゃくちゃかっこいいです。

 

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 この機体の改造機である「シナンジュ」は赤い彗星意識のド派手カラーリングだったのでかなり威圧感がありましたが、反面こちらは基本的には色味の変更だけなのに驚くほど綺麗にまとまった渋いミリタリーデザインになっています。これが現代兵器的でめちゃくちゃカッコイイです。ディスってごめんよアッカネン君……

 

・圧倒的なランドセル

 

 そしてこの機体の一番の目玉が、この圧倒的密度感を誇るランドセルです。

 

 見ておくれよこの素晴らしいバーニアの密度感……

 

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 通常のシナンジュの方も流線形で毒々しくて良いですが、やっぱりこうやってロケットみたいな円錐形のわかりやすいバーニアがどっさりついてた方が内なる小学五年生も大喜びするって物ですよ……

 

 そこからさらにプロペラントタンクが二本も伸びてるんだからもう最高です…

 

 

宇宙世紀史に残る奇妙な出自とデザイン

 

 さてさて、ここで少しガンダムの蘊蓄に入りますよぉ…

 

 アニメ「ガンダムユニコーン」本編で「赤い彗星の再来」と呼ばれたネオジオンのMSであるシナンジュですが、元々は連邦軍で開発された”試作型ユニコーンガンダム”の一機を改造してジオン風なモビルスーツに仕立て上げたものなんです。なので、より改造前に近い「シナンジュ・スタイン」では、ジオン的な曲線、肩アーマーのトゲトゲ、モノアイが目立つものではなく、むしろ連邦的な、直線的、胸部のツインダクト、ツインアイを持つモビルスーツになっているのです。

 

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 もちろんその特徴はこのガンプラでも色濃く出ていて、袖付きのエングレーブこそ入っていますが、このままV字アンテナをつけてしまえばそのままガンダムっぽくなる興味深いデザインをしています。赤い方のシナンジュがバキバキのジオンスタイルだったが故に、かなり興味深いことです。

 

 また、シナンジュをデザインしたカトキ・ハジメ氏によると、シナンジュはHi-νガンダムの技術を応用して作られているそうで、両機を比較すると、バーニアや本体の各種でティールで共通点があるようです。残念ながら私は手持ちでHi-νが無いので比較はできないのですが……とにかく、宇宙世紀においてもかなり特殊な出自を持つ興味深いMSなのです!!

 

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 というわけで、今回は「HGUC シナンジュ・スタイン」を作った話でした。

 

 

 ……やっぱ、ガンプラって楽しいですね……

 

 シンプルにプラモとして楽しむのももちろん、アニメ作中の設定と付き合わせてみたり、ディティールを観察してみたりと結構多面的に楽しむことができます。結果モビルスーツの評価が全く別になったりするので本当に楽しい……

 

 

 みんなもガンプラやろうぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はやぶさ」ブームの火付け役 「HAYABUSA back to the earth」の話

 

 どうもエイトシーです。

 

お題「邦画でも洋画でもアニメでも、泣けた!というレベルではなく、号泣した映画を教えてください。」

 

 というわけで、最近はてなブログに実装された新機能を試すという口実のもと、私の大好きな映画の話をしたいと思います。

 

 今回紹介するのは、「HAYABUSA back to the earth」です。

 


HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- 帰還バージョン [Blu-ray]

 

 

 ちょっと分類は難しいですが、一応「CGアニメ」の部類には入るかな…と

 

 

・概要

 

 本作は、2010年6月に地球帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の、数年に及ぶサンプル採集ミッションをドラマチックに描いたプラネタリウム用のCGアニメです。「はやぶさ」を題材にした映画は本作以外にも3作品ほど存在していますが、それらがミッションに携わった研究者視点のドラマであるのに対して、本作は「はやぶさ」を主人公とし、人間によるドラマではなく「はやぶさ」の冒険映画として描かれています。おそらくこの映画が、2010年当時の「はやぶさ」ブームの火付け役であったのではないかと思います。

 

・思い出話

 

 さてさて…今回は映画の紹介よりも先に、この映画にまつわる私の思い出話からさせていただきます。

 

 あれは私がまだ心身ともにちびっこだった頃、当時住んでいた所は科学館のような施設がたくさんある地域で、そのうちの一つにプラネタリウム付きの科学館がありました。

 ある日、その科学館のプラネタリウムで本作の上映があり、なんとなく面白そうだったので両親に連れて行ってもらいました。

 そこで見たのは圧倒的な映像美の宇宙空間……壮大なBGMと濃厚な科学知識……そして何より、「はやぶさ」の過酷なミッションの歓喜と、自己犠牲すら感じさせる切なくも美しいエンディング……当時の私は涙腺が閉じなくなるほど大泣きしました。

 それからそのプラネタリウムには何十回も通い、その度にプラネタリウムで本作を鑑賞し、その度に涙が枯れるほど大泣きしました。この映画ですっかり「はやぶさ」のファンになってしまった私は、相模原宇宙センターに実物大模型を見に行ったり、実際に帰還したカプセルを見学しに行ったり、本作のDVDを買ってもらって何度も何度も泣いたり……とても素晴らしい少年時代を送りました。

 

・最高のグラフィック、音楽、科学知識

 

 という訳で、この映画の良い点をポイントごとに解説………

 

 ……と思ったのですが……

 

 いや……この映画どこをとっても「最高」なんですよね……

 

 「グラフィック」に関しては、フルCG作画ですが現在見ても驚くほど綺麗に描画されていて、とてもリアルな宇宙空間を感じることができます。「BGM」に関しては、オーケストラを使った壮大で叙情的な音楽が使用されていて、先述の美麗でリアルな宇宙空間を引き立たせています。科学映画としても見応えがあり、「スウィングバイ」や「リアクションホイール」などなど、実際の宇宙工学の知識を学ぶ上でもかなり良質な映画になっています。

 

 そして何より、それら全てが小惑星探査機「はやぶさ」の史実をとてもドラマチックに演出しています。主人公である「はやぶさ」にはセリフ、表情もない状態で、ただナレーションとBGMのみで映画が進行していきますが、それ故にちゃんと物語に集中することができます。きっと、エンディングでは「ただの探査機」ではなく、「小さな英雄」としてのはやぶさに感情移入ができるはずです。

 

 

 

 

 というわけで、今回は「HAYABUSA back to the earth」についてのお話でした。

 

 宇宙オタクだったちびっこ時代の思い出の映画です。あれから十年ちょっと、オタクの方向性自体は変わってしまいましたが、あの時の自分に恥じない「オタク」であれるよう頑張ろうと思う次第です。

 

 

 …久しぶりに大泣きしようかな……

 

 

 

 

 

 

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「巨大ロボットアニメ」の派閥と”唯一の例外”の話

 

 どうもエイトシーです。

 

 省略する気はさらさらありませんが、私はロボットアニメが大好きです。丁度一年前にガンダムにハマり、ダンバインを見出し、パトレイバーの大ファンになり、ファイブスター物語も映画何度も見返すくらい大好きになりました。

 

 

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 さてさて、みなさん大好き、私も大好きな「巨大ロボットアニメ」には、実は二つの大きな流れがありまして、それを知ると「巨大ロボットアニメ」をより楽しむことができるようになります。という訳で、今回はそのお話をしましょう。

 

 巨大ロボットアニメを二分する派閥……それはズバリ、「スーパーロボット」と「リアルロボット」の二派閥です。

 

 

・「スーパーロボット」とは?

 


HG ゲッターアーク 1/144スケール 色分け済みプラモデル 197713

 

 「スーパーロボット」という単語そのものは、バンナムの某ゲームで知っている人は多そうですが、ここでのスーパーロボットとはちょっと意味合いが異なります。

 

 「スーパーロボット」とは、人類の知識を超えた不思議なパワーによって動く巨大ロボット、あるいはそれを題材にしたアニメのことです。具体的には、「ゲッターロボ」や、「天元突破グレンラガン」、そして「ファイブスター物語」がこれにあたります。

 

 共通する特徴としては、

 

・主人公が超人

・現実では再現困難なレベルででかい

・動力源が正直よく分からないし、よく分からないことが起きる

 

 などがあります。

 

・「リアルロボット」とは?

 

 


青島文化教材社 機動警察パトレイバー AV-98 イングラム1号機 全高約190mm 1/43スケール 色分け済みプラモデル MP-01

 

 そして、それと双璧をなすのが「リアルロボット」で、最近ではこちらの方が作品数が多い傾向にありますね。

 

 「リアルロボット」とは、あくまでも現実の技術の発展で作ることが可能な巨大ロボット、あるいはそれを題材にしたアニメのことです。具体的には、「機動戦士ガンダム」や「装甲騎兵ボトムズ」、「機動警察パトレイバー」などがこれにあたります。

 

 共通する特徴としては、

 

・主人公が一般人

・実物大模型が作れる程度に全長が小さい

・軍や警察などのリアリティある組織が舞台になる

 

 などがあります。

 

・……そして例外が……

 

 さてさて、ここまでは単なる蘊蓄ですが……実は有名巨大ロボアニメの中で唯一これらに分類できない例外が存在します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ズバリ、エヴァンゲリオンです。

 

 


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 …そうですね、先程の具体例に合わせて特徴を書き下ろしてみましょう…

 

・主人公は一般高校生シンジ君→リアルロボット

・半身を作るのでも精一杯なくらいでかい→スーパーロボット

・(一応)地球を守る組織が舞台→リアルロボット

・「クローン技術」という現実でもできそうな技術でできている→リアルロボット

・と言いつつ、元にになった生物は正直よく分からない「使徒」→スーパーロボット

・なんか暴走したり神様みたいになったり訳がわからん→スーパーロボット

 

 …と、以上のように、「エヴァンゲリオン」というアニメは、丁度「リアルロボット」と「スーパーロボット」のいいとこ取りをしながら作られているアニメなんですね……さすがオタク四天王庵野秀明……

 

 

 

 

 というわけで今回は、「巨大ロボットアニメ」に関わる蘊蓄の話でした。

 

 これを踏まえてアニメを見ると、より面白がりながらアニメを見ることができると思います。あなたの好きなアニメはどっちに分類されるのか、ぜひ考えながら見てみてください。

 

 ロボット……いいよねぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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