エイトシーのオタク語り

エイトシーのオタク語り

行きどころの無いオタクの独り言

「博士の異常な愛情」を見た話

 どうもエイトシーです。

 

 かなり古い映画なのですが、ちょっと前にゲオでレンタルして見てみました。というわけで、今回は感想を書き殴ってみたいと思います。

 

・説明

 フルタイトルを、「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったのか(原題:Dr.strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)」…なっが…なろう小説かよ…

 1964年のイギリスのブラックコメディ映画で、監督は「シャイニング」や「2001年宇宙の旅」のスタンリーキューブリック監督。

 タイトルにもなっている「ストレンジラブ」博士は、作中に登場するドイツ人科学者の名前で、英訳したらこんな名前になったのだそう。それを誤訳して「博士の異常な愛情」という邦題が付いたらしいです……奇跡すぎるピッタリな誤訳…

 メタルギアファン的には、正伝の第五作、「メタルギアソリッド ピースウォーカー」にて、本作が元ネタになった、その名もズバリ「ストレンジラブ博士」が登場します。また、3のパラメディックの映画紹介の中で、本作について言及されることもあるらしいです。私がこの映画を見たかった理由がこれです。

 

 

 

 

※ここからはネタバレ注意になります。

 

 

・あらすじ

 時はバキバキの冷戦時代…アメリカ空軍のリッパー大佐が突然トチ狂い、爆撃機34機に対してロシアへの攻撃命令を出してしまう。しかも爆撃機にはどっさりの核爆弾が搭載されていた…

 大慌てでアメリカ政府首脳部で大統領を含むお偉いさんが話し合いを始めるが、話し合いはgdgdを極め、しかもソ連首相の話によると、ロシア本土に核兵器が落とされた場合、地球全土の生物を皆○しにするマシンを配備してしまったらしい…

 一方爆撃機のコング少佐は祖国アメリカのために全力でロシア本土に核兵器落とそうとするし、たまたまリッパー大佐と居合わせたマンドレイク大佐はリッパーの激ヤバクレイジートークを聴きながらなんとか核戦争を阻止しようとしたり、…果たして世界の運命は!!!そして、車椅子の謎のドイツ人科学者、「ストレンジラブ博士」はいつ出てくるのか!!

 

 

・感想

 

※こっから先は本当にネタバレがあります

 

 

 まず第一に言わなければならないのは、今現在”コメディー”としてこの映画を楽しむのは少し厳しいということでしょう。ドッカンドッカン大笑いっていう内容でもないですし、冷戦と言うテーマもちょっと現在では伝わりにくい。

 ただ、「凄まじい映画を見てしまった…」という感情は十分に抱けるでしょう。キューブリック監督の美しくも不気味な構図がモノクロでより際立ちますし、「核抑止論」という、現在の我々にとっても決して人ごとではない大切なテーマに対してもかなり考えさせられます。

 あと、リッパー大佐の妄言が、「フッ素は共産主義者の陰謀」とか、ちょっと今でもチラチラ聞くような陰謀論っぽかったのも興味深かったですね。

 また、本作からは”行き過ぎた愛国心”への疑問もかなり感じられました。作中で真剣に祖国のために尽力していたコング少佐が、最後に自らがカウボーイのように核爆弾に跨って一緒にソ連に落ちていく描写は、本当に心をえぐられました。

 まとめとしては、「コメディー」として気楽に見るには向かず、正直おすすめもしずらい。しかし、この映画でしか味わえない、今時の映画では到底できない”凄まじさ”のある映画です。

 

メタルギアとの繋がり

 ピースウォーカーにはモロ「ストレンジラブ博士」が登場しますが、彼女は別に異常者って言うほどの人ではなかったので、あんまり繋がりは感じられませんでした。

 …が、興味深いのはむしろ「ヒューイ」の方がよっぽど「ストレンジラブ」的だということでしょう。ヒューイも足が不自由だし、核兵器の開発に携わってるし、よっぽど”異常な愛情”感があるし…この方面で考察していけば、ヒューイに対して新しい解釈が生まれそう…

 

 

 はい、一旦ここで記事を終了します。とりあえずここまでを読んである程度この映画に興味を持ってもらえたのならば、ぜひ一度見てみてください。古い映画ですが、その分今時の映画では味わえない”凄まじさ”を味わえます。なんか映画わかってる風な会話とかできるようになります。好きな人が「私映画好きなんですよ〜」とか言ってたら試しに見てみましょう。きっと会話が弾むかドン引きされるかの二択のはずです。(彼女いないから)知らんけど。

 

 

 

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※ここから先は本当の本当にネタバレがあります。私的には一回見てから見て欲しいです。マジで。

 

 

 

 

 

 

 

・感想(大オチ)

 んで、一番私が「ウギャァあああああ!!!」となったのが、大オチのストレンジラブ博士の正体です。

 

 いや本当、これに関してはもはや「不覚」でした。勘づくべきだったんですよ……”車椅子に乗った怪しげなドイツ人科学者”なんていういかにもな設定…

 

 悲しいかな私がストレンジラブがナチの生き残りだと理解したのは片腕が「ハイル」しようとして痙攣しだしたところでした……そんでもって「核による崩壊はしょうがないから頭いい男と魅力的な女性を”選別”してシェルターに入れましょう」とか言い出すし、興奮して車椅子から立ち上がって「”総統”!、立てました!」って…

 

 エンドロールで核爆発のきのこ雲が延々流される頃には口があんぐりでした。本当、おそらく思いつく限りでの史上最低のバッドエンドでしょう。なんなら大人くし核兵器で人類滅亡したほうが、ナチスの地下帝国建国より幾分マシだろうよ…