どうもエイトシーです。
私は映画が大好きで、その中でも特にSF映画が大好きなのですが、そんな私が今一番心を奪われている作品があります。
ノーラン監督の「TENET」です。
私は今までそこそこな数のタイムマシンものやタイムリープものの作品を見てきたつもりでした。タイムパラドックスも、バタフライエフェクトも、マルチバースについてもちゃんと理解しているつもりです。
その上で、
この映画は本当にややこしい映画です。
実は既に5週近く見ているのですが、まだ細部で整理しきれていない部分が多々あったりします。それだけ奥深く、とんでもない作品です。つまり、初見で全てを理解し切るのはおそらく100パー無理な作品です。同監督の「インセプション」や「インターステラー」と比較しても比べ物になりません。
というわけで、今回は初見で「TENET」を見て理解できなかった人向けの解説記事になります。当然ネタバレありなので、まだ本編を見ていない人は、ぜひ一回見てから、もう一度この記事に戻ってきてください。
・TENETは"戦争"の話
ずばり、TENETは戦争の映画です。
「嘘やろ!?そんな話あったか!?」となる気持ちはわかります。この映画は、基本的に主人公の視点のみで物語が進行するため、逆に主人公の身に起こっている事以外がめちゃくちゃわかりづらいんですよね。
なので、わかりやすくするため、「未来人」の視点から物語を考えてみます。
彼らの住む未来では、地球の汚染が進み、人口が過密になり、とても人間が存続できる状態ではありません。そんな中、物体の時間を逆方向に進ませる「逆行装置」の開発に成功します。そして未来人は気がつきました。
「この逆行装置を使って逆向きの時間の中で生活すれば、地球は年々汚染した状態から回復していくんじゃね!?」
…なかなかな考えですが問題もありました。逆行装置を使って逆行した人間は、通常の方向に流れている酸素を吸入することができません。作中で逆行装置に入った人が絶対に酸素マスクをしているのはこの為です。まぁ不便…
…と思ったのも束の間、今度は「時間の流れそのもの」を逆転できる、作中では「アルゴリズム」と呼ばれているマシン(正確には「手順」)がついに完成します。これを使えば、逆行装置を持っている未来人はそのまま逆行しながら、だんだん改善していく環境で生きられます。が、引き換えに過去、つまり現代を生きている我々は途端に空気の流れが逆転するので一気に死に絶えます。
倫理観ゼロの一般未来人共とは違い、アルゴリズム開発者は流石にマズいと感じたようで、アルゴリズムを九つのパーツに分離してから逆行装置にぶち込み、そのまま過去へと隠してしまいます。
しかし、タイムパラドックスも辞さないクレイジー未来人はその程度ではへこたれない。過去で生活していた適当な人間に大量の金塊を渡してアルゴリズムの破片を探させます。その人物こそが、作中のラスボスの「セイター」です。
対して、この未来人の攻撃を知った現代人も、対抗するための組織を作ります。かくして、未来人VS現代人の壮絶なる大戦争が幕を開けたのです…
そうです、この映画で観られるのは、この果てしない時空間大戦争のほんの一幕に過ぎないのです。
どうでしょう?少しこの作品への理解度が上がったのでは無いでしょうか?
正直、この作品はここが分かっていたとしても十分にややこしい作品です。ただ、この大前提がわかっていれば幾分か作品が見やすくなるので、ぜひもう一度、この大前提をもとに映画を見直してみてください。きっと、その他の謎に目を向ける余裕が出るはずですので……