濃!! of the 厚!! 「RRR」をやっと観れた話
どうもエイトシーです!!!!!!!!!!!!
本日はいつもより大きめでブログを書いております!!!!!!!!
やっと……やっと観れました!!!!!
というわけで!!!!前置きは控えめにしてちゃっちゃと本題に入りましょう!!!!!
「RRR」を観た話です!!!!!!
・概要
1920年のイギリス領インド帝国。ある小さな村の少女マッリがイギリス人のインド総督バクストンに連れ去られてしまった。その村の守護者であるビームは、少女を救い出すために、正体を隠して単身デリーへと赴くのだった……一方、インド人でありながらイギリスの警察官として働くラーマは、その圧倒的な力で功績を上げるも、人種差別により功績が認められずにいた。しかし、ビーム対策で彼に白羽の矢が立ち、ラーマは調査を開始する。しかし、この二人は列車の事故から少年を救い出したことをきっかけに、正体を知らないまま友情を育んでしまうのだった。ビームは少女を救えるのか?……ラーマの本当の目的とは?……二人の友情の行方は……
監督は、みなぎるパワーと興奮により日本でも大ヒットになった、私も大好きな映画「バーフバリ」シリーズを手がけたS・S・ラージャマウリ監督。
・パワーー!!!!
ここでいいニュースと悪いニュースです……
……悪いニュースは、本作、上映時間が3時間近くあります。
……そしていいニュースは……
……マジでその長さが苦にならないことです!!!!!!
前作の「バーフバリ」でもかなりパワフルな演出で度肝を抜かれましたが、今回さらに、文字通りパワーアップを遂げた全開フルスロットルスーパーウルトラアルティメットパワーOFパワーOFパワーな映画でした。
どうせ文章だけじゃ伝わらんので具体例を書いちゃうと、ウン千人対一人の超大立ち回りアクションシーンや、人種入り乱れてのボリウッドダンスシーン、「そうはならんやろ」「なっとるやろがい!!」な少年救出シーン、野生生物とともに一斉に飛び出すシーン、当然のように素手でバイクを止めるシーンなどなどなど……
とにかくド派手でインパクト大なシーンのオンパレードで、正直3時間なんてマジであっという間に過ぎ去ってしまいます。でもおトイレは済ましときましょう…
しかも、映像見てるとわかるのですが、実は戦闘シーンでビームは水属性、ラーマは火属性みたいな属性付けがされていていて、なんかうまい具合にお互いがそれらを撒き散らしながら戦闘を繰り広げるので、マジで鬼滅の刃か何かみたいなエフェクトに富みすぎたアクションシーンを楽しむことができます。バーフバリもそうだったけどこの監督アニメでしかやらん表現を実写で完璧にやっちゃうからすげぇよなぁ……
・案外深いテーマ
じゃあ本作はインパクトだけのおバカ映画なのか?……とんでもない!!
本作の舞台はイギリス占領下のインド帝国…バキバキに人種差別が起こる殺伐とした世界です。
しかして本作で一番印象的だったのが、厳密にイギリス人が加害者、インド人が被害者というシンプルな構造で描いている訳でもない…ということです。イギリス人の中にも、ジェニーという心優しい女性がいるし、インド人の中にも、ラーマを筆頭にイギリス人の手先としてインド人を迫害する人々もいる……決してシンプルな勧善懲悪では終わらせない、リアリティあるカオスを伴った差別世界が広がる描写がされており、本作をただの娯楽映画だけでは終わらせないメッセージ性があります。
また、本作は実在の革命家であるコムラム・ビームやA・ラーマ・ラージュを主人公に据えていたり、ヒンドゥー神話をモチーフにしていたり、かなりインド文化のモチーフがふんだんに盛り込まれているので、その辺を真面目に考察してみるのも面白い楽しみ方かもしれません。
・歌と踊り……いいな…
そして、インド映画で最も欠かすことができないのが、歌と踊りです。
これがすっっっごく良い……
明るくて陽気な歌だったり、しっとりした決意の歌だったり、だけどよく歌詞を見るとちゃんと主人公の身の上や心情を語っていたり、これから先の運命を暗示していたり、他の映画での音楽の使われ方とは少し違っているのですが、それでもやっぱり…いやだからこそ、隠したり仄めかしたりせず、ドストレートに語りを入れてくるインド映画的音楽はかなり新鮮で楽しかったです。
ほんでダンスシーン……は、思い返せば「ナートゥ」以外は無かったっけ?……まぁ如何せん「ナートゥ」がかっこよさ、演出、規模、音楽、キレ、メッセージ、ストーリー的役割その他もろもろ百点中一兆点くらいあったので不足感は無かったですね。
……一回でいいから超大人数揃えて「ナートゥ」大会とかしたいな……
というわけで今回は、「RRR」を観た話でした。
ほぉおおんとうに最高の映画でした。映画としての完成度が凄まじすぎる……
もう私は「バーフバリ」と本作で完全にラージャマウリファンなので、今度監督の他の映画も見つつ、いつか来るであろう次回作に備えたいと思います。
……人生でたった一度でいいから、「ナートゥをご存知かな?」って言いてぇなぁ……
「シン・仮面ライダー クモオーグ編」を見たらちょっと評価が変わった話
どうもエイトシーです。
最近結構頻繁にネタに出しますが、この前「シン・仮面ライダー」を見てきました。その時の愛憎交々は以下のブログを参照いただくとして…
さて、はっきり言いますが、私は↑の記事で、本作に対してあまりいい評価をしていませんでした。最終的な私の本作に対する評価は、「いい映画ではないが、嫌いにはなれない」という、言ってしまえば消極的なものでした。
だがしかし……実は今回テレビ放送用に特別に編集された「シン・仮面ライダー クモオーグ編」がAmazonプライムでも見れるようになりました……そしたら、結構意外なことがわかったので、今回はそのお話をしたいと思います。
【幕前/第1幕 クモオーグ編 特別公開】『シン・仮面ライダー』※本編ではございません。
・視聴環境
と……その前に一つ、今回「シン・仮面ライダー クモオーグ編」の視聴環境についてお話しします。
……実は今回、「一度観た映画だから」と思ってかなり気楽に本作を視聴してしまいました。具体的にいうと、iPadで視聴しました。
はっきり言っておきますが、私は基本的に巨大液晶原理主義者で、液晶は多ければ多いほど、大きければ大きいほどいいと思っています。なので基本的に映画を鑑賞するときは、家にあるぼちぼち大きめな液晶テレビで見ています。……今回は本っっっっ当に気が緩んでしまい、しれっとiPad(しかも第六世代の古い&ちょい小さいiPad)なんかで映画を見ちまいました……
……その時、不思議なことが起こった……
……結論を言いますが、なんとこれ、大正解でした。
・画質
実は、「シン・仮面ライダー」の大きな問題点の一つに、突然の映像品質の劣化があります。ふとした部分で出てくるCGのクオリティーが低かったり、場面転換すると急に画質が大きく劣化していたりなどなど……シンウルでも顕著だったのですが、本作でも結構気になるくらいそんなシーンが含まれていました。
の!で!す!がっ!
iPadの小さい画面で見ると……あーら不思議……なんとあんなに気になっていた家屋大爆発シーンのガッサガサ映像やら、微妙に安っぽい蜘蛛の巣周りのCGやらがちっとも気にならなくなりました。
……なんというか、シンプルに液晶が小さくなったから見づらくなった……というのもありそうですが、本編と違いテレビ放送の仮面ライダーっぽい編集がされているので、なんとなく脳が本作を連続ドラマか何かと錯覚して気にならなくなったんじゃ……という仮説を立てています。
…というか、このテレビ用の再編集めっちゃいいな…全編これで作り直してくれないかな…
・スルースキル
もう一つ、画面以外にも少し本作の見方に変化がありました。ズバリ、設定洪水部分のスルースキルが、二周目になって少し上がりました。
…まぁ具体的に言ってしまうと、第一回鑑賞時点で必死こいて飲み込んでいた「プラーナ」周りの設定をすんなり飲み込めるようになりました。
最初に劇場で見たときは、「プラーナ!?体内に残存!?圧縮!?……どういうこと!?」となって、そこに気を取られて他の部分の認識が疎かになっていた感は、今となっては正直否めません。しかし、今回は「”プラーナ”は”魂”くらいの認識でおっけー」という前提知識ありで見れたので、劇場で見た時の大慌て感がかなり軽減され、ゆったりと映像、ストーリーを楽しむ余裕が持てました。きっと後半の「ハビタット計画」あたりも、もう一回見ればのんびり見れるのかも……
・庵野監督の視点
さて最後に、今回小さな画面で「シン・仮面ライダー」を見てやはり確信したのは、「シン・仮面ライダー」という作品は、庵野監督が当時見ていたオリジナル版の「仮面ライダー」を再現した作品だという事です。
だからこそ、劇場の大画面ではなく、テレビやらiPadやらで見た方が、より説得力を持って作品を楽しめるんじゃないかな……と思ったりします。
というわけで、今回は「シン・仮面ライダー クモオーグ編」を見た話でした。
…やっぱり、私この作品結構好きかもしれない……
劇場でもう一回見るかはわかりませんが、いずれアマプラに入ったりしたらきっと何回も見ちゃうんだろうなぁ…
……そしたら、うまいことやってブラウン管の4:3画面でこの映画を見てみたいなぁ…
焦燥的変身と鉄フェチのマリアージュ 「鉄男 The Bullet Man」を見た話
どうもエイトシーです。
もうすでにこのブログ内でも度々書いていますが、ちょい前に「シン・仮面ライダー」をみてきました……その時の愛憎交々はとりあえず以下のブログを参照頂くとして……
本作で登場している緑川博士……いや、この例えだと観てない人伝わりづらいか……「シン・ゴジラ」の間邦夫博士……なんか首からタオル下げたちょっとマッドサイエンティスト寄りな博士いたと思うんですが……その博士を演じる塚本晋也氏は実は映画監督で、結構すんごい映画を撮っていたりしてました……
という訳で今回は、「鉄男 The Bullet Man」を観た話です。
・概要
東京で働くサラリーマンのアンソニーは、妻と子供と一緒に穏やかで幸せな生活を送っていた。しかし、ある日突然謎の人物、”ヤツ”によって息子を轢き殺されてしまう。愛する息子を失ったことで生活は一変。息子を失った喪失感、妻の変化、変わらぬ仕事からのストレスによって、穏やかなアンソニーは少しずつ暴力的な感情に目覚めていく。すると、感情を抑えられなくなったアンソニーの体は、少しずつ”鉄”に変化してしまう……彼は何者なのか?……「鉄男プロジェクト」とは何なのか?……”ヤツ”の目的とは?……
1989年に田口トモロヲ主演で公開され、世界各国の著名人に影響を与えたカルト映画「鉄男」から続くシリーズ3作目。塚本晋也監督は”ヤツ”役で出演もしています。
……いきなり三作目なのは許してくれ……一番新しいから観やすかったんや……ストーリー的にもあんまり繋がりは無いし…
・好みの分かれる映像
まずそもそも本作は”カルト映画”寄りなので当然に好みは分かれるのですが、特に本作で好みが大きく分かれるのは映像、カメラの演出部分でしょう。
本作のカメラは結構手ブレが大きく、ちゃんとレール敷いたカメラで対照をしっかり捉えている映像ではなく、手ブレを気にせず手持ちのカメラをブンブン回しながら映像を撮影しています。他の映画と比較するとどうしても少しチープな映像に感じるかもしれません。
結果映像としては動きが大きすぎてかなり観づらいです。で・す・が!!…他の映画ならいざ知らず、本作で一番重要なのは主人公アンソニーの”変身”なので、この手ブレまみれの映像のおかげでスピード感や緊張感が増幅され、さらに主人公の姿を繊細に写しすぎない、不気味な化け物として演出することに成功しています。なので、本作ではかなり効果的な演出だったのでは?……と思っています。まぁ好き嫌い激しい人はそもそもこんな怪しげな映画観ないし……ちょっとチャレンジしてみるのもアリかと…
・魅せる「焦燥的変身」
そして、現代っ子私が本作で一番驚いたのが、本作には大規模なCG映像がほとんど入っていないということです。
それじゃあどうやって化け物に変身するアンソニーを魅せているのか……それはつまり、「演出」と「特殊メイク」です。
本作でアンソニーが変身していく様子は、少しずつ役者さん本人に特殊メイクを施すことで表現されていて、CGでは感じられない、よりリアルな金属的人工物と生命体の融合を感じることができます。そのように特殊メイクで現実に造られた化け物が、手ブレまみれの映像の中に確かに”存在”している様子は、現代のCG第一主義の中ではまだ感じられないリアリティになると思います。
さらに、本作のBGMも素晴らしく、シンプルなベース音を中心にしたBGMがより一層主人公が異形の怪物に変身していくことへの焦燥感を駆り立てていました。個人的には「シン・仮面ライダー」にもこの半分くらいは「変身に対する焦燥感」があっても良かったような……
・鉄フェチ
そして何よりも本作において特徴的なのが、徐々に”鉄の化け物”へと変身していく主人公に、どこか「かっこよさ」のようなものを感じていくことでしょう。
回転する歯車や動き続けるピストンを見た時のテンションの高まりというか……蒸気機関車が迫り来るような焦燥感とかっこよさの調和というか……そんなかっこよさが人間の生物的な部分と融合する……しかも、ギーガー的な表現とも少し違う、より鉄と油臭さ、重厚感、乱暴さを感じる人間の鉄化は、なかなか鉄男シリーズでは味わえないフェチ成分と言えるでしょう。
この名状し難い鉄フェチでぶん殴られる経験のためにも、本作を見るだけの価値はあると思います。
……まぁ万人におすすめはしませんが……
という訳で今回は、「鉄男 The Bullet Man」を観た話でした。
いや、なかなか面白かった。
今回私が観たのはシリーズ三作目なのですが、第一作目の方がよりカルト的人気が高いようなので、今度そっちの方も見てみようと思います。
……にしても塚本監督どえらい役で出てたな……
全要素百点満点 「コンスタンティン」を見た話
どうもエイトシーです。
実は最近面白い漫画を発見しました……「チェンソーマン」って言うんですけど……
…はい、いつものダサ☆ダサ逆張リストが発動してしまい、やっと最近読み始めました。なんでこんな面白い漫画を殴ってでも私に読ませなかったんだ!?
……まぁ今回はその話ではありません。チェンソーマン作者のタツキ先生は結構映画好きのようで、漫画本編やアニメ作中の中で往年の名作映画のオマージュをかなりしているようです。
……というわけで、今回はそこからの興味が引き金になって鑑賞した映画の話をしたいと思います。
今回は「コンスタンティン」を見た話です。
・概要
DCコミックスの「ヘルブレイザー」を原作に、主人公ジョン・コンスタンティンを我らがキアヌ・リーブスが演じたファンタジーアクション映画。
この世界は天界・人間界・地獄の三つに分かれており、天界、地獄の住人がハーフブリード(人間と天使or悪魔の中間的存在)を送り込んで人間界を監視していた。主人公ジョン・コンスタンティンは悪魔祓いとして働いていたが、ある時地獄の悪魔が人間界に侵入しようとするのを目撃する。異変を感じたコンスタンティンは独自に調査を開始するが、自身の体は度重なる喫煙で肺癌に侵され、余命幾許であった。一方、捜査官のアンジェラ・トッドソンは双子の妹の自殺を不審に思い、捜査を行っていた。すると、死ぬ直前に妹が「コンスタンティン」と呟くのを発見して……
・直球なアクション
今作、キリスト教がテーマとなるため、かなり小難しい映画な印象を受けるかもしれません。が、実は本作、根幹となるストーリー、アクションはあくまでド直球のアメコミ映画であり、ストーリーもわかりやすい勧善懲悪でとてもスッキリ爽快に見ることができます。
とりあえず聖なるメリケンサックで殴れば悪魔は痛がる!!……聖なるマシンガンで蜂の巣にすれば悪魔はズタズタになる!!……トドメに聖なる祈りを唱えれば悪魔は死ぬ!!
単純にアクション映画として本作を観ただけでもしっかり満足できるくらいアクション描写が際立っています。
地獄も炎ぼおぼおで悪魔も見るからに化け物ばっかりで……幼稚園児が見てもわかる「悪い奴を倒す」映画として完成しています。しかもそこで暴れる主人公はタバコをふかすイケメンなキアヌ……アクション描写だけでも十二分に楽しめます。
・バッチリ決まった映像表現
そして本作のさらに素晴らしい点は、上述したような直球アメコミアクションに仕上げつつも、こと映像表現においてはアート映画にも引けを取らないほど美しいことです。
全体的にオレンジがかったフィルターがかかることでただ人が並び立つシーンがまるで宗教画のようにも見えますし、バッチリ決まった構図のまま止め絵で魅せてくれるシーンも数多くあるので、本作の宗教的なモチーフと相まってとても美しい映画になっています。
個人的に一番好きなのが、捜査官のアンジェラとコンスタンティンが並び立つシーンで、それまでアンジェラが色付きのガラス越しに立っていたのが、協力を決めた途端にそのガラスから出てくる演出がされていて、1キャラクターの心情の変化をとてもオシャレに表現していてとても良かった……
……伝わりづらいな……本編見てくれ。
・かっこよさ全振りのキャラクター
さてさて、ここまでで既に神映画確定な本作ですが、さらに追い討ちで本作の人気を決定的にしているのが、登場人物たちの圧倒的なかっこよさでしょう。
もうさ……だってさ……あのキアヌがタバコスパスパしながら金ピカのマシンガン片手に悪魔に突っ込んでいく描写なんて嫌いな人なんかいるわけがない…
おまけにティルダ・スゥイントン演じる天使ガブリエルなんかもう……天使の中性的な印象は残しつつ“神々しい”印象を出す役柄にあまりにもマッチしすぎています。多分彼女はあっちが本職なんでしょうなぁ……
そして最後に召喚される悪魔!!…ネタバレ回避のため詳細は伏せますが……あんだけ天使な天使出してからのここまで悪魔な悪魔出せるん!?……みたいな感じでした。この映画本職しか出てねぇのか?……
というわけで今回は「コンスタンティン」を見た話でした。
いやマジで最高の映画です。
タツキ先生のおかげで再び注目された本作、どうやら次回作の予定もあるらしいです……今からちょっとワクワクしとこうと思います。
…やっぱキアヌは最高だぁ!!
「FG ザクⅡ」をめちゃくちゃ改造したから見てほしい話
どうもエイトシーです。
実は最近長々と改造を続けていたプラモがやっとこさ完成したので、その話をさせてください。
今回作ったのは、「FG ザクⅡ」です。
・まず解説
一旦このプラモについて解説させてください。
今回製作したプラモは、「FG(ファーストグレード)」と呼ばれるプラモデルになります。基本ガンプラは「HG」「MG」「RG」なんかが有名ですが、このキットはそれらと比べてちょっとマイナーなグレードかもしれません。
そもそもの発端は、1/60のビッグサイズ、内部構造やハッチオープンまで完全再現した最高峰のプラモデル「PG(パーフェクトグレード)」というプラモでした。
このプラモ、当然のようにお値段がバカ高かったので、「PGのデザインをそのままに、よりお手軽なキットとして販売したい」ということで作られたのが、「FG」というプラモデルになります。
…しかし、どうも当時のプラモ開発部は「お手軽」の意味を履き違えていたようで、確かに接着剤不要、価格300円とお手頃に感じますが、完全未塗装、可動範囲も渋々な、言うなれば「最新型旧キット」みたいなプラモになってしまいました。
……まぁ、御託を並べるより見てもらった方が早いですよね…製作当時ぱち組したままの状態がこちらになります。
……どうです、稼働させている写真こそないものの、このずんぐりむっくりなプラモの可動域が狭そうなのは見れば一発でわかってもらえると思います。合わせ目も真っ二つな頭を筆頭にあちこちに大きく出ます。
……とはいえ、バックパック周りやら体部分に細かなモールドがかなり数入っているので、そこはさすがPGをもとにしてるだけあります。
……という訳で、今回は↑をベースにプラモの改造&全塗装に挑戦しました。
・改造内容
テーマとしては
・関節を仕込んで可動域を広げる
・FGそのもののデザインは活かして、アレンジは控える
・足裏などはディティールを増やす
・色味はオリジン版を参考にして塗装する
というわけで、以下が改造工程になります。
一旦全体をバラバラにした後、ビルドファイターズ系の「ボールデンアームアームズ」というキットから関節、ボールジョイントを流用し、それらを組み込んで関節を可動させています。また、モノアイもポリキャップの可動式にします。
などなどやっていると少し頭身が伸びて、足元のボールジョイントが大きく見えるようになってしまったので、隠すために少しエポパテで足のアーマーを伸ばしてます。その後、真っ平らな足裏にプラ板でディティールを追加しています……まぁ素人仕事臭がしますが足裏だから多めに見てくれ……
今回パテの実験的な意味もあり、エポパテ、ポリパテ、瞬間接着パテ、ラッカーパテ、プラリペアなどなどいろんなパテを実験的に使ってみました。おかげで今回の改造で結構パテの特性や使い方も見えてきました。やっぱトライアンドエラーが性に合う……
塗装は携帯型のエアブラシで一度塗装した後、ガンダムマーカーのメッキシルバーとガンメタを全体にうっすら使って汚しを入れています。
さてさて、それでは完成品を見ていただきます。
この可動範囲を見ろぉ!!!!
なんということでしょう……直立すら不自然だった改造前と比較して、膝立ちすらできるほどしなやかな動きができるようになりました。
腰にもボールジョイントを仕込んでいるので、大きくのけぞるようなポーズを取ることもできます。また、前屈もできるようになっているので、ちょっと下を向いたポージングも取れるようになります。
今回初めて全体にわたる改造や全塗装に挑戦しましたが……いやぁ〜楽しかったぁ!!
既存キットからディティールやカラーリングを研究したり、関節部品も結構細かく調整をしたり……時間はかかりましたが満足な出来上がりになりました。
…もちろん既存キットを購入した方が早いのですが……いや、やっぱり自分でここまで作り上げると愛着が半端じゃないッ!!ぜひみなさんも一度、キット大改造に挑戦してみてください!
イデオンどんどん生えてきた pic.twitter.com/jrsA0WepSX
— エイトシー (@Eight_C008) 2023年4月6日
……なお、次回作の完成は未定です。
“現代版“の末路 「仮面ライダー THE FIRST」を見た話
どうもエイトシーです。
先日、現在絶賛公開中の映画「シン・仮面ライダー」を見に行ってきました。
まぁその時の感想やら愛憎交々は既に七千文字強のブログで書いているので、そちらを見ていただくとして……なんならネタバレ無しショート版も書いたのでそちらをより積極的に見ていただくとして……
あの映画のおかげで「仮面ライダー」という作品そのものにかなり興味を持ちまして、あの後になって石ノ森章太郎原作の漫画版「仮面ライダー」も読み終わり、今後はテレビ版も見てみようかな……なんて考えております。
…さて、そんな「仮面ライダーニュービー」な私ですが、そんな私にうってつけの映画がありましたので、今回見た感想を書きたいと思います。
今回の映画は、「仮面ライダー THE FIRST」を見た話です。
・概要
本作は、1971年に公開されたテレビ版「仮面ライダー」と、石ノ森章太郎原作による漫画版「仮面ライダー」を2005年に現代版としてリメイクした(原点回帰?とかなんとかも言われてますが…)作品で、登場する怪人や各種設定を引き継ぎながらも、デザインやリアリティライン、舞台設定を現代的に変更した作品です。
あらすじとしては、大学で水の結晶を研究する主人公本郷猛が、謎の秘密結社「ショッカー」に改造され、バッタの能力を持つ怪人「ホッパー」にされてしまう。ショッカーの戦闘員として悪事を働く本郷だったが、ある時に洗脳が解け、ショッカーに対して反旗を翻すことになる。しかし、ショッカーは次の「ホッパー」を生み出していて……
・……一旦褒めとこう……
…そうですね…まず「仮面ライダー」のデザインや、そのほか怪人たちのデザインはとても良いです。例えば「シン・仮面ライダー」の仮面ライダーは、原点であるテレビ版を意識したデザインがされていましたが、本作の仮面ライダーはよりスタイリッシュかつマッシブなアレンジがされていて、よりドストレートにかっこいいデザインになっていました。ヘルメット二段階でかぶるのめちゃかっこいい…
怪人のデザインに関しても、仮面ライダーと似た系統のデザインが採用されていて、「仮面ライダーは元々ショッカーの怪人として造られた」という設定をより強調しています。
また、原作再現要素もいい具合に散りばめられていて、本郷がノブやビーカーを壊してしまうシーン(ノブ≒蛇口はテレビ版再現、ビーカー≒グラスは漫画版再現)や、戦闘中の構えのポーズが変身ポーズっぽくなっていたりなど……テレビ版や漫画版を知っている人ならニヤリとできる程度のサプライズが用意されていました。特にコブラ怪人周りの漫画オマージュはなかなかいい意味で悲惨でしたね……うっかりワクワクしちまいました……
・“現代版“の功罪
…さああああて、酷評のターンですぞぉ!!!
はっきり言いますが本作、ライダーや怪人の出てくるアクションシーン以外はとっても微妙です。
細かいところを挙げるだけでも、疑似科学を研究する本郷とか、内容薄めな講義をする本郷とか、100パー怪しい本郷をみすみす見逃す警察組織とか、やっぱりそこまで人類のために戦わない本郷とかとか……ほとんど本郷周りだな…
そして本作で一番まずかったのは、“現代リメイク“として本作が出来すぎていた点でしょう。
…そうです、“失敗“しているんじゃないんです。“出来すぎている“ことが問題なのです……というわけで、ちょっと当時のことを振り返ってみましょう。
本作が公開された2005年当時、直前で世間では「冬のソナタ」が社会現象になる程ブームになっておりまして……本作のプロデューサーは「仮面ライダーで冬ソナをやる」とおっしゃっていたそうで……はい、本作、やったらめったらに恋愛描写があります。
本郷とヒロイン緑川のラブロマンス展開だけならまだしも、そこから一文字も巻き込んだ三角関係になったり、挙句全然関係なさそうな死にかけティーンの青春が脈絡なく挟まってきたり……本作の主題は完全に当時流行の「メロドラマ」であり、そこに乗っかりすぎた結果、アクションシーン以外がどうにもハマれない非常にもったりした映画になってしまいました。
…あるいはこれらのストーリー展開は冬ソナブーム真っ盛りの当時なら受け入れられたのかもしれませんが、令和も5年になった現代ではアクションシーンのデカいノイズになっているようにしか思われました。ほんのりストーカー風味な本郷の描写も気になりますし…
・「シン・仮面ライダー」と比較して…
さてさてさて、皆さん気になるのはズバリ「シン・仮面ライダー」と比較してどうなのか……という点でしょう。
…まず結論を言うと、私は「シン・仮面ライダー」の方が好きです。
……なんというか、私は正直両者ともにいい評価はしていないんですが、同じ「低評価」でもその内容がちょっと違います。
「シン・仮面ライダー」のまずい点は、原作オマージュや石ノ森他作品のオマージュ、庵野監督の独自設定などなどを、ろくろく精査せず全部適当に詰め込んじゃった部分にあります。逆に言えば、その個々の要素に関しては結構質が高いし、ストーリーもかなり練りこんであったので、部分部分では結構いい映画でした。
逆に「THE FIRST」の方は、映画としてのまとまりや、スパイス的な原作オマージュに関しては申し分ないですが、いかんせんそれで出来上がったのが「仮面ライダー風冬ソナもどき」だったので、全体を通した残念感が強めです。
……例えるなら、一流の素材をただ切って混ぜただけで硬め濃いめ多めのままボールに詰めて出した「シン・仮面ライダー」と、ぼちぼちな素材をちゃんと料理した結果味薄め雑味多めな料理になったのが「仮面ライダー THE FIRST」という感じ……でしょうか?
正直、両者ともに出来は良くないものの、どちらとも種類の違う出来の悪さなので、どっちかが嫌いな人はもう一方もダメ…みたいなことではないです。シンが面白かったから本作が面白いと思える訳じゃなさそうですし、逆に本作がつまらないと感じたからといってシンも同じようにつまらなく感じる訳ではないと思います。
というわけで、今回は「仮面ライダー THE FIRST」をみた話でした。
……うーむ、やっぱりテレビ版を見るか……
短めにまとまった仮面ライダー作品を探して本作を見たのですが……ちょっと期待外れでしたね…こうなったら大人しく当時のテレビ版をゆっくり消化していこうと思います。
……THE NEXTどうしよう…
サイコキラーにダイブインッ!! 「ザ・セル」を見た話
どうもエイトシーです。
私は小さい頃よく両親がツタヤやらゲオやらでDVDをレンタルして映画を見せてくれたのですが、ああいうところでレンタルすると映画始まる前に他の映画の予告が流れたりするんですよね……
…という訳で、今回は大昔に予告で見たきりずっと気になっていた映画を見たので、その感想を書きたいと思います。
・あらすじ
小児科医のキャサリンは、特殊な機器を用いて患者の精神世界に入り込み、直接接触することで患者の意識を回復する先端医療に関わっていた。ある時、連続殺人犯のカール・スターガーが彼女の働く病院に運び込まれた。FBIのピーター捜査官によると、この殺人鬼は女性を攫い、タイマー仕掛けで水が出る部屋に閉じ込めているらしい。しかし、犯人逮捕時に昏睡状態に陥ってしまい、このままでは女性が溺死してしまうのだという。キャサリンは、昏睡している連続殺人犯の精神世界に入り込み、女性が囚われている場所のヒントを探りに行くのだった……
・映像表現
本作一番の特徴は、その独特な精神世界の表現です。
本作の殺人鬼は、その生活態度や趣味趣向からは想像もできないほどハイセンスな精神世界を持っており、さまざまな絵画のオマージュに富んでいたり、どこかグロテスクで不気味さを持ちながらも色彩豊かで美しい世界が広がっています。個人的に一番やばかったのが、精神世界の王みたいなやつの背中にカーテンがくっついていて、その王が動くとカーテンが一緒に動いて翼みたいになる……いや文章じゃ伝わりづらいですね……ぜひ本編見てください。
先ほど↑で紹介したあらすじでは何だかサスペンスミステリーな雰囲気もありますが、本作はどちらかというとこの不思議で美しい映像を見るための映画です。……とはいえ、サスペンスミステリーの部分もちゃんと面白く、ただのアート映画では終わらない、ちゃんとストーリー的な見応えもある映画になっています。
・「悪人」とは…
もう一つ個人的に印象に残っているのが、本作のテーマの一つである「悪人とはいつから悪人なのか?」という部分です。
今作では殺人鬼のカールの内面に迫っていきますが、カールは根っからのサイコキラーという訳ではなく、元々父親から虐待を受けたことで徐々に精神が歪み、サイコキラーになってしまったと描写されています。そして、カール自身にも殺人行為に対して迷いがある訳ではなく、どちらかというと「やめたくてもやめられない」という部分が強調されています。この性善説的な悪役の描き方はかなり印象的で、序盤で恐ろしいサイコキラーだと思われたカールの中にまだ弱い子供な部分があることをとても効果的に表しています。それ故、ラストシーンではただのハッピーエンドに終わらない、少しやるせないエンディングも注目です。
という訳で、今回「ザ・セル」の感想でした。
本作の監督は他の作品でもかなり映像に力を入れているようで、「落下の王国」とかも気になっているので、そのうち観てみたいと思います。