エイトシーのオタク語り

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行きどころの無いオタクの独り言

エヴァメモ 「使徒、アダム、イヴ」の話

 


CCP ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 リリス スタチュー 全高約400mm ノンスケール 塗装済み 完成品 フィギュア

 どうもエイトシーです。

 

 最近重い腰を上げてエヴァを見始めています。まぁ当然に難易度が高いので、試聴と同時に調べ物をかなりしています。

 

 

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 本来ならばエヴァといえば意識の高い、かつ深ーい考察をするものですが、「シンエヴァ」が公開されはや一年近く経った今更に考察も何もありません。なので、今回の記事はあくまでもエヴァ初心者私が「これは覚えとかなやな…」というのをメモっておくものになります。エヴァ詳しい人にとっては全然常識だと思うので、暖かい目で見てください。

 

 前回はこちら

 

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使徒、アダム、イヴ

 

 今回は、エヴァンゲリオンという作品の中での人類の創生神話のお話をしたいと思います。

 

 エヴァの世界観では、我々の世界でよく知られているような進化論的世界観に追加される形で創世神話が作られていますので、そこの解説です。

 

 

 はるか昔、生命体のいない地球の南極に”白き月”と呼ばれる物体(”生命の種のようなもの”とも、”乗り物に近い”とも言われている)が降り立ち、中に入っていた「アダム」が、次々に「使徒」と呼ばれる存在を生み出します。

 

 しかし、それから少し遅れて、地球上、相模原の周辺に”黒き月”と呼ばれる物体も降り立ちます。そして、その衝突の衝撃により、アダムと使徒たちは休眠状態に入ってしまいます。そして、黒き月の中に入っていたリリス」は、体内からL.C.L(ここでは生命の源的な何かしらです)を海に放出し、それが現在生きている生命体の元になりました。つまり、我々人類はリリスが作った”使徒”の一種な訳です。新劇場版作中でカヲル君が人類のことを”リリン”(聖書ではリリスとアダムの子)と呼ぶことがチラチラあるのはそのためです。

 

・生命の実、知恵の実

 

 しかし、同じ「使徒」にしては、我々人類といわゆる「使徒」とはかなり違った性質を持っているように思います。これは、アダム、リリスの持っていた性質の差で、具体的には、「生命の実」と「知恵の実」の差であると言われています。

 

 「生命の実」というのは、元々旧約聖書にて言及されていたもので、この実を食べた者は”神と同等の永遠の命”を得ることができると言われています。

 エヴァ作中で、アダムはこの「生命の実」を持っていたと言われており、それ故、アダムの生み出したいわゆる「使徒」はほとんどの攻撃に対して無敵になっているのです。

 

 対して、リリスが持っていたのは「知恵の実」と呼ばれています。これも元々聖書で言及されていたもので、「イヴがかじったりんご」と言えばピンとくる人は結構いるはずです。

 エヴァ作中のリリスはこの「知恵の実」を持っていたと言われており、その為にそこから生み出された我々人類はこの”知恵”を持って繁栄することができた…とされています。

 

・聖書の中における”アダム”、”リリス”、”イヴ”

 

 このように、エヴァが聖書からかなり影響を受けているのは理解できたと思います。

 

 と、ここで聖書におけるアダムとリリス、そしてイヴについての話をしましょう。

 

 

 日本においても、「最初の男性アダム、最初の女性イヴ」というのはなんとなく知られていると思いますが、そのアダムが実はバツイチらしい…という話はちょっとマイナーかもしれません。

 

 元々、アダムには自分と同じように作られた「リリス」というお嫁さんがいました。が、夫婦喧嘩(どうも夜のあれこれで揉めたらしい…)によって二人は別れてしまいました。そこで、寂しげなアダムのために神はアダムの肋骨を引っこ抜いてそこから「イヴ」を作りました……とんでもねぇ話だな…

 

 ちなみに、聖書の中でイヴはアダムの肋骨から生まれたと言われていますが、エヴァンゲリオン作中においても、エヴァ(イヴ)の”ほとんど”がアダムの体の一部から作られているという設定があります。おまけに、”EVANGELION"という単語の中には、エヴァ(イヴ、EVA)と使徒(天使、ANGEL)という単語の両方が入っています。

 

 

 

 という訳で、今回は使徒、アダム、リリスの設定をメモりました。

 

 そもそもの聖書が複数の民話の集合体ゆえにあれこれ矛盾や考察の種になるので、それを基にしたエヴァもどこまでその基にのっとって作られてるのかを考えると考察が止まらなくなりますね。もっと考えてるのか、そこまで考えてないのか……

 

 

 

 

 

 

 

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挑戦的な滑り出し 「007 カジノ・ロワイヤル」を見た話

 


カジノ・ロワイヤル (吹替版)

 

 どうもエイトシーです。

 

 少し前に現行のダニエルクレイグ版の007の最終作である「007/ノータイムトゥーダイ」が公開されてましたね。

 

 私はアマプラの民なので劇場公開終了からかなり早い段階で視聴できました。ただ、私007シリーズは初期のショーン・コネリーのものは少し見たのですが、ダニエルクレイグ版のは飛び飛びでしか見てませんでした。なので、今回からダニエルクレイグ版を最初から見ていきたいと思います。

 

 というわけで、今回は007/カジノ・ロワイヤルを見たので、その感想を書き殴りたいと思います。

 

 

 

・超挑戦的なスタート

 

 まずちょっとうんちくを話します。

 

 今でこそ大人気シリーズになったダニエルクレイグ版の007ですが、キャストの発表直後は従来作のファンからかなり反発があったようです。

 

 そもそも、元々のジェームズ・ボンドのイメージは……

 

・高身長

・黒髪

・焼けた肌

 

 が基本なので、金髪、碧眼のダニエルクレイグのキャスティングにはめちゃくちゃ批判があったらしいです。

 

 ……まぁ蓋を開けてみればあまりにもボンド過ぎだった訳ですが……

 

 

 何が言いたいかというと、すでにジェームズ・ボンドのキャスティングであまりにも挑戦的なことをしているのです。

 

 おまけに、ストーリーもかなり挑戦的です。

 

 普通”スパイ映画”といえば、敵の基地やら屋敷やらに潜入したり、銃撃戦を繰り広げたり……などのアクション描写がメインになりそうな物ですが、今作は四割くらいひたすらポーカーをやってる話になります。

 

 …おそらく、元ネタになった原作第一話の「わるーい奴がインチキポーカー大会で大儲けする」みたいな話を大真面目にやったからこんな話になったんでしょう……字面だけでは面白いのかどうか不安になりますよね。面白かったですけど…

 

 他にも、そもそも今作は007の初任務の話として描かれていたり、ラストでヒロインが……などなど。

 

 新シリーズ第一作目にしてもかなり挑戦的なことをしていたのが理解できると思います。結果大当たりなのでマジですごい……

 

・随所随所のファンサ

 

 そんな風に挑戦的な作品となった本作ですが、ちゃんと従来ファン向けのサービスもしていました。

 

 ボンドカーはちゃんと歴代を汲んでちゃんとアストンマーティンに乗っていましたし、ボンドガールに上手いこと乗せられる形でスーツに蝶ネクタイのお馴染みのボンドスタイルになっていたり、ちゃんとオリジナルの要素を大切にしたファンサービスもたっぷりでした。

 

・マッツゥ〜〜!!!!

 

 そして何よりも悪役のル・シッフルを演じるマッツ・ミケルセン!!!!!!!

 

 もう、超かっこいい!!!!!

 

 もう「ル・シッフル(多分「ルシファー」から来てるんだろうな)」なんていう「悪いことしてまっせ〜」みたいな安っぽい悪役の名前が全く気にならなくなるくらいメチャクチャにかっこいい!!!!

 

 渋イケメン顔だけでも反則なのに片目に作中一切語られない謎の傷があって、おまけに頭良くてポーカーが趣味って……

 

 もうダメだろ!!規制すべきだろ!!こんなん作品面白くなくても見ちゃうよ!!

 

 本当、本作のみの登場にするにはあまりにも惜しいイケおじヴィランでした。

 

 

 

 という訳で、今回は「007/カジノ・ロワイヤル」の感想でした。

 

 やっぱり長くシリーズ続いてるだけあって第一作から超面白いですね。今度自作の「慰めの報酬」も見てこようと思います。

 

 

 

 

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思い出補正でも誤魔化せない ダンボール戦機「アキレス」を作った話

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 どうもエイトシーです。

 

 最近やたらにイベントが目白押しで、ガンプラはおろかブログもかなり長期間お休みをもらっていました……

 

 ……と言いつつ、ちょっと前に懐かしいプラモを作ったので、そのレビューをしたいと思います。

 

 ダンボール戦機「アキレス」です。

 

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 「ダンボール戦機」は、今から10年くらい前にPSP向けにレベルファイブから発売されたゲームで、同時期にアニメやプラモデルなど、レベルファイブらしいマルチメディア展開を行なっていました。

 

 私はアニメもゲームもあんまり見ていなかったのですが、プラモだけは価格が手頃だったのもあり、何個も買っては改造して遊んでいました。なので私のプラモ人生の原点はこの辺にあったりします。

 

 発売は2011年ごろで、今回購入したのは2019年にマイナーアップデートを施して一瞬だけ再販されたキットになります。

 

 

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・ポイント

 まずはっきり言っておきましょう。このプラモ、ちょっと酷すぎます。

 

 確かに、劇中のイメージを原寸スケールで完全に再現している点に関しては、かなり素晴らしいです。デザインも、子供ウケしやすそうな、いかにもヒーロー然とした素晴らしい造形です。成形色もふんだんに使われているので、そのままぱち組するも、塗装するも、墨入れするもよしな幅広い使い方ができる点も良いです。

 

 

 

 じゃあ何がまずいのか……

 

 ズバリ、関節です。

 

 

 このキットはダンボール戦機シリーズの中でも最初期に発売されたものなので、そのせいなのかもしれませんが、関節があまりにも脆すぎます。具体的には、大人の私が普通に組み立てて、それでも直立がちょっと厳しいくらいに緩いです。おそらく、力加減のできない子供が組み立てて遊べばもっとひどい状態になるでしょう。

 

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 特に股関節部分は強度がとても弱く、↑のポージングもよくみるとあんまり足が開いていないのがわかると思います。このかなりシンプルなポーズをとらせるのもかなり一苦労するほど脆い股間接パーツでした。

 

 

 一瞬時代のせいなのかな…とも思ったのですが、それよりよっぽど前に販売されていたHGズゴックなどの関節は全くへたる気配がありません。おそらく、作中のプラモデルの造形の再現と、組み立てやすさの両立を目指したのでしょうが……にしても犠牲が重すぎる気が……

 

 

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 これでまともに遊べるようにするには、関節を市販のもうちょっといいパーツに交換したりの結構大掛かりな改造が必要になると思います。そんな苦行を子供に強いちゃいけないような……

 

 

・まとめ

・造形は良し

・簡単組み立ても良し

・それらを補ってあまりあるほどひどい関節パーツ

・子供にはギリ向かない

 

 

 というわけで、懐かしさで買ったらとんでもねぇ目にあったというレビューでした。

 

 そもそも、私がダンボール戦機やってたのはストーリーもだいぶ後半に差し掛かった、プラモもある程度改良されてたくらいの年代のものだったので、そこを求めたのが間違いだったのかもしれませんね……

 

 

 

 ……頼むからダブル系のキットを再販してくれ!!!

 

 

 

 

 

 

 

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2022/6/13~14 ゲーム購入履歴

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 どうもエイトシーです。

 

 ここのところめちゃくちゃ買い物してるんですが、実は先日もプチ旅行のついでに中古ゲームを買い漁ってきました。私自身もう結構な数のゲームを集めたと思っていましたが、まだまだ面白そうなゲームは尽きなさそうです…今回はハードオフ以外での購入もありました。

 

 

GBA F-ZERO:110円

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 購入時一瞬「プレミアタイトルか!?!?!?」となりましたが、どうもこれではないらしいですね。

 

 まぁ、あんまり見ないタイトルなのは確かだし、エフゼロシリーズももっと遊んでみたかったので、かなりラッキーです。

 

 

レミングス:660円

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 ピクミン的なかわい(そう)さのあるパズルゲームです。

 

 私が個人的に大好きなゆっくり実況の人(お泊りの人)が取り上げてからずっと気になっていたのですが、どうにもいい具合の値段で見つからずそのうち探すのを諦めていました……

 

 かなりプレイが楽しみです。

 

X-MEN VS ストリートファイター:814円

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 最近MCUへの参戦が噂されまくっているX-MENとのコラボゲームですね。スト2は結構大好きなのですが、中古価格でも結構な高値になることが多いので、三桁台ならほぼ迷いはありません。

 

 …ただ、どうもこれ遊ぶには拡張メモリが必要らしいです……辛いですがしばらくはお預けです。

 

 

・ナイツ:110円

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 正直、「セガサターンの名作アクションらしい」以上の情報は無しに購入しました。まぁ百円でネームバリュー有りなら迷う必要はありません。結構楽しみにしています。

 

 

 

 

 実は今回ちょっと小さめの中古ゲームを取り扱うお店にお邪魔してきたのですが、普段見ないようなソフトが結構お手頃で売ってたりしてかなり感動しました。また行こう…

 

 ということで、ここからはそこで購入したゲームです。

 

ストリートファイターZERO3:480円

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 「またスト2かい!!!!」

 

 …はい、そうです。

 

 

 まぁそんなに激レアではないですが、それでも店舗ではほとんどお目にかかれないタイトルがこの価格なら迷いはありません。既にテストで遊んでいますが、スピーディーでかなり面白そうです。

 

 

サムライスピリッツ 天草降臨スペシャル:680円 

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 少し前に格闘ゲームにどハマりして買い漁っていた時期がありまして…その時に「サムライスピリッツ」系も探したのですがなかなか見つからず、結局スーファミゲームボーイしか所有しておりませんでした……というわけで、ようやくいい具合のサムスピが遊べそうです。

 

 レビューはぼんやり悪そうですが、まぁプレステ移植のサムスピは総じて評価がよろしくなさげなので、妥協です。

 

 

機動戦士ガンダム外伝 蒼を受け継ぐ者 裁かれしもの:380円、580円

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 現代においても名作と名高いサターンのガンダム外伝シリーズです。私がサターンをちゃんと買った理由もこのゲームを遊ぶためです。

 

 

 実は以前に1を箱なしで購入していて、結構楽しくて続編を探していました。そこにこの価格で箱も取説も付く……迷いは無しです。

 

 しかもどうやらこの2、3はバーチャロン用のツインスティックにも対応するらしいです………探すっきゃない!!

 

 

 

 

 というわけで、ゲームの購入履歴でした。

 

 なんか段々「ゲーム語り」的なブログが増えてきましたね……ただ、まだ観たけど感想書いてない映画やら、買ったけど作ってないガンプラやらも全然あるので、余裕ができたらその辺も書きたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2022/6/12 ハードオフ購入履歴

 

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 どうも、ハードオフ公式アンバサダーのエイトシーです。

 

 つい先週そこそこ大きめな買い物をしたばかりですが、その時発見したやつがどうしても必要になり、結果今週もそれなりに色々購入しました。やっぱハードオフは楽しいなぁ……

 

 

・ディスク研磨機:1100円

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 はい、前回見逃して購入したのはこれです。

 

 実はバイオ2、3の起動がどうにも安定しなくて、どうにかして復活させたかったので購入になりました。

 

 結局バイオ3は復活しなかったのですが、それまでに読み込み困難なディスク達を研磨してみたら結構動くようになりました。さすが研磨機さまさま……

 

 これで今後はディスクの状態をそんなに気にせず購入できそうです。新品でもそんなに高くはないので、ハードオフで頻繁にディスク買う人は購入を検討されてはいかがでしょうか?

 

 

・カシオ 関数電卓:1650円

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 これは正直ゲーム全く関係ありません。本業の大学生活の方でどうしても必要になったので購入です。

 

 本当めちゃくちゃ突然に「来週関数電卓必要だからw」みたいに言われて結構あわてていたところで奇跡的に中古コーナーにあったので、超ラッキーです。

 

 

カプコンジェネレーション 第二集 魔界と騎士:330円 

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 本日唯一のゲーム購入品は、カプコンの名作鬼ムズ2Dアクションである「魔界村」が三種類入ったコレクションゲームです。

 

 実は魔界村シリーズはほとんどやったことがなく、高難易度とのことでハマれるかどうか結構不安でしたが、結構面白かったです。アクションがシンプルで分かりやすいゲームってやっぱいいですね……

 

 

 

 

 というわけで、ハードオフ購入履歴でした。

 

 マジで週一ペースでハードオフに行っているのですが、好きなので全然飽きないですね。なんなら明日とかも行ってこようかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初代「ゴジラ」から考える「シン・ゴジラ」の話

 


シン・ゴジラ

 

 

 どうもエイトシーです。

 

 「シン・ウルトラマン」を見に映画館に行ってからすでに結構な時間が経ちました。すでに二度目をいつ行こうか計画中ですが、「ククルス・ドアン」もあるしなぁ…

 

 

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 と言うわけで、今回は「シン」シリーズの最初の作品、シン・ゴジラについてお話ししたいと思います。

 

 ところで、私が「シン・ゴジラ」を観たのはかなりブームが過ぎ去った頃でした。私は基本的にダサダサ☆逆張リストなので、流行り物は一旦遠ざけていました。ただその後見た同作は私の心にグッさりと突き刺さり、私の大好きな映画の一本になりました。

 

 そしてその後、自分の中で映画ブームが再燃し、昔の映画を見たい衝動に駆られ、ついに伝説の映画、初代「ゴジラ」を視聴することができました。そこで、「シン・ゴジラ」についても新たな発見があったので、それについて書き殴りたいと思います。

 


ゴジラ

 

・「巨大不明生物」という原点回帰

 

 私はそれまでほとんどゴジラシリーズを見たことがありませんでしたが、その怪獣の名前だけはもちろん知っていました。それだけ有名な怪獣ですが、それゆえにある弊害を抱えていました。

 

 ズバリ、「怪物としての魅力」です。

 

 言ってしまうと、「ゴジラ」という存在が有名になりすぎたばっかりに、正体不明の怪獣ではなく、ゴジラ」というキャラクターとして扱われるようになってしまったということです。ヒーローになったり「シェ〜!!」ってやったりはその弊害ゆえです。

 

 「シン・ゴジラ」ではこの部分を見事に払拭し、前代未聞の「巨大不明生物」として描き直すことに成功しています。

 

 ただ、実は「初代ゴジラ」に関しては、当然まだキャラクターとしての「ゴジラ」が成立する前の話だったので、純粋に「正体不明の怪物」として楽しむことができました。つまり、シン・ゴジラでは見事に「原点回帰」を果たしているのです。

 

・祈念碑としての作品

 

 初代「ゴジラ」は、怪獣が大暴れし、街を破壊するお話しなのは当然なのですが、もう一つ力を入れていた描写がありました。

 

 それが、「怪獣から避難し、共同で生活を送る人々」です。

 

 初代「ゴジラ」で有名な話として、「ゴジラは原爆の恐怖を具現化したものである」というものがありますが、それとは別の側面として、ゴジラ「人々から見た“戦争“そのものの象徴」であるように描写されていました。

 

 だからこそ、まだ戦争がほんの最近までの日常だった人々にとって、その象徴たる「ゴジラ」の存在はとても鮮烈に、かつ切迫した恐怖として思い起こされていたのだと思います。言うなれば、「ゴジラ」という作品は、直近で起こった戦争の「祈念碑」の意味を持っていたのです。

 

 そして、その「祈念碑」は、「シン・ゴジラ」作中でも見事に表現されていました。現代の東京に現れたゴジラが街を破壊しつくし、人々は核物質の恐怖に怯えながら体育館で避難生活を送る……

 

 つまり、「シン・ゴジラ」におけるゴジラは、3月11日の東日本大震災の象徴なのです。

 

 私たちが「シン・ゴジラ」に対して特別な感情を抱くことができたのは、作中で描写されていた“滑り落ちる瓦屋根“や、“吹き飛ばされ、流される自動車“が、私たち自身にとって初代ゴジラと同じように鮮烈で、切迫した恐怖として記憶されていたからなのです。

 

 

 

 というわけで、今回は初代「ゴジラ」から考える「シン・ゴジラ」の話でした。

 

 

 ……まぁ、目新しい話はほとんど無かったんじゃないか…とは自分でも思います。

 

 ただ、私たちが初代の「ゴジラ」を、ただのキャラクターとして忘れ去り、そして現代再び別の恐怖として上陸したように、あるいは数年後、数十年後、「シン・ゴジラ」が「ただの映画」として忘れ去られる頃に、「ゴジラ」がまた別の形で私たちを襲うかもしれません。

 

 だからこそ、私たちは忘れてはいけないと思うんです。私たちは何度も「ゴジラ」を撃退し、何度でも立ち上がることができたことをね…

 

 

 

 

 

 ……よし、かっこいいこと言えたな…

 

 

 

 

 

 

 

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もはや必修科目 「1984年」の面白さの話


一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

 

 

 どうもエイトシーです。

 

 私は私生活であんまり活字を読まない方で、ある時それを危惧して何冊か小説を買い込んで読んでいました。その中の一冊「1984年」が結構私の心に残る作品でした。ちょっと前に映画版の話もしましたね。

 

 

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 というわけで、今回は原作版の「1984年」がどうすごい小説なのかをお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

※ネタバレ注意です

 

 

 

 

 

 

 

・ざっくりとあらすじ

 

 主人公ウィンストンはオセアニア(現在のイギリス)という独裁国家で生活をしています。この国では「ビッグブラザー」と呼ばれる独裁者とその党が圧倒的な権力を有しており、全ての国民は「テレスクリーン」と呼ばれる、テレビとマイクがついたような機械で監視され、少しでも党に不満を言うと反逆者として処刑される……というディストピア小説の金字塔です。

 

 

 

・圧倒的な「ディストピア

 

 この作品の一番の特徴は、やはりその圧倒的なディストピア描写にあります。

 

 本作の世界では、国民一人一人がガッチガチに管理されながら生活をしていて、一部の熱狂的な国民によって相互に監視させることで、その管理を完璧なものにしています。また、行動だけではなく個々人が抱く思想に関しても管理がなされます。ビッグブラザー(独裁者)を非難することはその思想すらも罪になります。子供は生まれた瞬間からそのような教育を施され、ほんの遊感覚で「お前思想犯罪者だろ!!」と周りに言って周る……かなり最悪な部類のディストピアです。

 

 このように、この作品は「ディストピア」の代表的な作品として有名であり、メタルギアソリッド」や、「アップル」のCMなどのさまざまな作品で引用されています。

 

 そして、そんなディストピア描写の中で、最も私が特徴的だと思ったのが、「ニュースピーク」についてです。

 

 

・「ニュースピーク」とは

 

 「ニュースピーク」とは、本作中でオセアニアで英語に代わって標準語とされつつある新言語です。

 

 この言語の一番の特徴は、作中で「年々語彙が少なくなっていくこと」と語られています。

 

 具体的には、「良い」という単語に対して、より良いことを表す「より」、「さらに」、「とても」などの強調語が全て撤廃され、「+4」とか「+3」などで表されるようになりました。

 

 「とても良い」 → 「+3良い」

 

 となります。さらに、「悪い」という単語はそもそも全て撤廃され、全て「良くない」という表現に置き換えられました。

 

 このように、徹底的な合理化が図られいる言語ですが、その真の目的はさらに深いところにあります。

 

 この言語でさらに削られた言語が、「自由」、「平等」、「人権」などの言語です。この言語そのものを奪うことによって、これらの単語を”思考”することすらできなくなっていくということです。つまり、より強固な支配体制を作ることを目的として、この言語は作られているのです。

 

 そういえばメタルギアでも、ルーマニアの思想家のある言葉が語られています。

 

 「人は国に住むのではない。国語に住むのだ。国語こそが我々の祖国なのだ」

 

 

・2 + 2 = 5

 

 もう一つ特徴的なのが、ダブルシンクという思考法です。

 

 これは、ある”事実”が党の伝えたい”真実”と異なっていた場合に、その事実を忘れ去り、真実のみを信じることができる。しかし、その事実を思い出す必要があれば、ちゃんと思い出すことができる……わかりにくいので具体的にしましょう。

 

 2+2=4というのが本来は事実なのですが、党がもし「2+2=5だ」と言えば、それを信じることができる。しかし、必要に応じて「2+2=4」という事実を思い出せる……という、かなり人間離れした思考法です。

 

 これは、党の公式発表を捏造するウィンストンにはとても重要な思考法で、自分が公式情報を書き換えているが、そのことをちゃんと忘れ去り、自分が捏造した真実を信じることができる思考法なのです。

 

 完璧に人間離れした思考法で、一種の気持ち悪さも感じます。このように繊細な「気持ち悪さ」を表現しているからこそ、この小説は金字塔として語り継がれているんだと考えています。

 

・「希望はプロレの中にある」

 

 ここまでかなーり暗い雰囲気でしたね。いや作中ずっとそうなのでしょうがないのですが、まぁその中で一箇所だけ希望のある話があるので、そこの話もしましょう。

 

 作中ウィンストンは、「希望があるとすれば、プロレの中にある」というふうに語りました。

 

 「プロレ」とは、党の支配も必要ない、国民の85パーセントを占める労働者階級のことです。

 

 ウィンストン曰く、党を内部から破壊することはできないが、プロレが団結して目覚めることができれば、陰謀も必要なく、明日の朝にでも党は崩壊する…と考えています。

 

 つまり、どんな圧政に対しても、大多数派が「NO」を突きつけることで、如何様にでも世界を変えることができるというメッセージです。

 

 

 ちなみに、本作に付録としてついてくる「ニュースピークの諸原理」という本は、全て過去形で記述されています。本作のようなディストピアでも、人々が団結すれば全てを過去にすることができるのかもしれません。

 

 

 

 

 というわけで、今回は「1984年」についての話でした。

 

 本作は、単なる恐ろしきディストピアの示唆以外にも、ちゃんと魅力のある作品になっています。社会情勢が不安定になる度本作の売りああげは伸びるそうです。いつか、単なる古臭いフィクションとしてこの話が笑い飛ばせるといいですね。

 

 

 

 

 

 

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